本業の傍ら、恩送りをカタチにした「ペイフォワードカフェ」という取り組みを行っている一條仁さまより書評をお届けします!
しんどくなったら、心より先に体を整えよう いちい葉子 著 アスコム 2024年11月発売 |
『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』について書いていきたいと思います。
本著の中で印象に残った3つのことばを紹介した後に、本著全体の感想を書きたいと思います。
1. 情報過多がもたらす「しんどさ」
現在の「情報が栄養過多になっている社会」が、私たちを「がんばり屋さん」へと向かわせ、「しんどさ」をもたらしているのです。
出典:『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』いちい葉子 著/アスコム(36ページ)
東京に住んで数年になります。
生まれも育ちも福島の自分にとって、情報量の多い東京のまちに、疲れてしまうことがあります。
お得な情報に溢れたキャンペーン広告など、、、
「流行」や「時代」に乗り遅れないようにするための情報に溢れ、苦しくなりませんか。
この文章を読んで、新たな情報を入れることでアップデートしようとし続けている自分に気づき、成長するのはいいものの、一方で無意識に「しんどさ」をもたらしているのかもしれない、と感じました。
2. 「出す」ことの重要性
入れるよりも、まずは「出す」。
出典:『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』いちい葉子 著/アスコム(65ページ)
セルフケアのコツとして、金言だと思いました。
健康を意識するあまり、栄養補助食品を食べたり、身体に良い飲み物を飲んだり、、
また、健康を促進するための商品が世に溢れています。
入れれば入れるほどいいものじゃない、と感じました。
まずは出すこと。
自身の身体の良くないものを、出す。
それから、良いものを入れる。
この「出す」ための工夫が何より大切なのだと思いました。
3. 自分で「する」体管理
体管理の基本は「してもらう」ものではなく、自分で「する」ものだと思うんです。
出典:『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』いちい葉子 著/アスコム(89ページ)
病院の基本的な役割は、「診断すること」。
ドクターの役割は、治療することではなく、その知識を持って「診断すること」です。
身体には、治癒力があります。
薬は、治癒力を促進するためのもの。
そのように考えると、体調管理は「してもらう」のではなく、「する」もの、という言葉も腑に落ちます。
まずは自分自身で、体を整えることから始めたいと思えました。
まとめ
本著は、心の調子が良くないな、と思っている人を対象に、
- 体の調子を整えることが心の調子を取り戻すことにつながることを実体験をもとに伝えている
- 簡単にできるセルフケアとして著者が生み出した「まくら体操」の紹介している
- 自身のスタイルを確立して生きることの重要性を伝えている
そんな本です。
モヤモヤしたら、まずは体を動かす。
心と体は表裏一体。
そんなことを改めて感じました。
大変読みやすい本なので、気軽に手に取ることができます!
評者プロフィール
一條仁(いちじょう・ひとし)
福島県出身。2015年福島大学卒業、2017年同大学院中退。在学中は震災復興支援活動に尽力。福祉系NPOでボランティアをしたことをきっかけに、障がい者就労支援事業所に就職。海外研修で豪・シドニーに滞在し、オーストラリア福祉を学ぶ。帰国後、福祉ベンチャー企業に転職。「支援者支援」に着目し、福祉人財の育成・採用業務等に関わる。現在はIT企業にて障がい者雇用専門人事として従事。複業として、善意の循環をカタチにした「ペイフォワードカフェ」の開催や教育機関等での講演活動を行う。「思いやりを広げる人を増やす」を自身のミッションとして実践を重ねている。
公式サイト・SNS
Twitterアカウント(@fukushima_swlab)
ふくしまソーシャルワークラボ