繊細さんながらも生き生きと音楽活動を続ける妻を支えつつ、ビジネスコンサルタントとして本場アメリカMBAの経営知識やストレスフリーなライフスタイルを発信中のけけさまより書評をお届けします。
書評
1.こんな人にオススメ
- 家族がメンタル不調を抱えている
- 周囲に事情を話しづらい
- 家族のケアに疲れた…
繊細な妻は傷つきやすく、感情の浮き沈みがとても多いです。
「もうムリ」「しんどい」と落ち込む妻にどう接したら良いか分からずに、長いこと悩んできました。
周りの目を人一倍気にする妻のことを考えると、周囲には事情を話しづらく、ひとりで抱え込んでしまいました。
この本は、そんな家族のメンタル不調に悩んで苦しんでいる人に届けたい一冊です。
2.ゴールは「ケアする側の人たちの負担を和らげる」こと
メンタル不調を抱えている本人に向けての対処法を解説している本をたくさん読んできました。
しかし、その度に「家族としてどう接したらいいんだろう?」という問いが浮かんできました。
この本はそんなわたしのように悩む人のモヤモヤを解消してくれます。
Q&A方式で「あっ、あるある!」という質問がたくさん!
「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と知って心が軽くなりました。
3.目指すのは「つらいときは弱音を吐ける、誰かを頼れる環境をつくる」こと
一番印象に残ったのは井上先生のこの言葉です。
家族が心の病気にかかったとき、ケアしたりサポートしたりする生活がとても苦しいものになってしまうのは、家族だからです。
最初はみな、家族だから支えられると思うのです。
しかし、それはまったく逆なのだと思います。
実際、私は精神科医として、精神疾患を抱える人の治療に携わっていますが、家族ではなく他人だからこそできること、わかることがたくさんあるのです。出典:『どうする?家族のメンタル不調』井上智介 著/集英社(218ページ)
大切な家族だからこそ「自分を犠牲にしてでもなんとか…」という思いが湧いてきます。
献身的に毎日ケアして、ひどく疲れてフラフラ。
自分も助けが必要なのに「もっとつらいはずだから…」と自分に鞭打ってしまうことも。
そんな「もうムリ」「しんどい」「優しくできない」と悩む人に「弱音を吐いていいんだよ」「頼っていいんだよ」と優しい声をかけてくれる一冊です。
評者プロフィール
けけ
40歳2児のパパ。14歳で父が他界し、生きがいを失う。青少年支援活動で出会った子どもたちの笑顔に生きがいを見出し、2年間ボランティア宣教師に。体調不良になった繊細さんの妻に寄り添う為に転職3回。収入4倍で家族時間も確保。同じような悩みを持つ人たちの力になりたいとTwitter(現X)を開始後、本格運用8か月で1万フォロワー達成。現在はビジネスコンサルタントとして、Xと公式LINEで本場アメリカMBAの経営知識やストレスフリーなライフスタイルについて発信中。