2022年は著者として優秀賞に輝き、2023年以降は選考委員として参画。多数の書評を寄せて 2023選考委員MVP賞を獲得した 古山有則さま(メンタルトレーナー) の書評をお届けします。
書評
「メンタルの回復には、家族のあなたの協力が不可欠!」
過去にメンタルが落ち込んでいた悪魔のような毎日を思い出してみるとー。
私は誰にもメンタルの不調を打ち明けられずに苦しんでいました。
いや、実は友達には軽く打ち明けてみたことがあるんです。
それもかなりの勇気を振り絞って。
すると、友達はこう言いました。
「考えすぎなんだよ」
……考えすぎてしまうから仕方がないじゃないか、と思いました。
時間を空けてまた話すと
「まだ同じことでウジウジ悩んでいるの?」
と言われてしまい、それから打ち明けるのをやめました。
誰にも相談しないようになりました。
今なら当時の私がしてほしかったことがわかります。
当時の私が求めていたのは、寄り添いと理解です。
もっと歩み寄ってほしかった、もっと理解してほしかった。
正論や解決策は当時の私は求めていませんでした。
友達に正論を言われてしまい、グサッとなってしまい、誰にも相談しないようになっていったのです。
つまり、誰かにメンタルの不調を話すのは思っている以上に繊細かつ勇気がいることなのです。
実際に私はメンタルトレーナーとして毎日カウンセリングをしておりますが、私と同様に周りの人に相談できない人も多いです。
もしも家族の誰かがあなたにメンタルの不調を打ち明けているとしたら、真っ先に本書を読みましょう。
本書を読むことで、どのようなことに気をつけたら良いのか、どんな心構えが必要なのかを理解することができます。
断言します。
メンタルの不調を回復するためには、周りの理解、家族の力が必要不可欠なんです。
本書を読み、改めてメンタルを回復していくのは、時間がかかるものだと理解しました。
裏を返せば、短期的なメンタルの回復を求めないことです。
少しメンタルが回復したとしても、それは完治ではありません。
完治はもっと先になると思ってください。
仮にダラダラしているように見えても否定しないこと。
求めすぎないことです。
ついつい自分が健康なときはわからないものです。
ただあなたも高熱になったりすると、ぐったりして何もできなくなりますよね。
動くだけでもしんどい状況になりますよね。
あなたの感じていることと相手が感じていることには、常にズレがあるもんだと思いましょう。
そして本書でも重要だと書かれているまずは「あなた自身」を大切にすることです。
メンタルトレーナーを7年継続しておりますが、私は一番自分のメンタルを整えることを大切にしております。
クライアントの力になる前に、まずは自分の体と心を整えています。
メンタル不調の家族の力になりたい気持ちは素敵です。
ただ、あなたが無理して体や心を壊してしまわないように。
少しでも参考になれば幸いです。
評者プロフィール
メンタル本大賞®2022 優秀賞
メンタル本大賞®2024 選考委員MVP賞
古山有則(こやま・あきのり)
メンタルトレーナー
大学院修了後、相続専門税理士法人に勤め、その後独立。
燃え尽き症候群や円形脱毛症をきっかけに、書籍を1万冊以上読み漁る。
高校時代に野球の国民体育大会(国体)優勝で培ったメンタル強化メソッドを統合し、
「今が人生でいちばん楽しい」状態を常にアップデートできる独自のメントレを導き出す。
「あなたが今、どんな状況・どんな状態だったとしても価値がある」というメッセージを届けるのがミッション。
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
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