エントリー作品紹介
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大切に抱きしめたい お守りのことば 松浦弥太郎 著 リベラル社 2024年3月発売 |


書評
古山有則さま(メンタルトレーナー)
【書評】『大切に抱きしめたい お守りのことば』(評者:古山有則)
きょうさま(製薬会社 主任研究者)
【書評】『大切に抱きしめたい お守りのことば』(評者:きょう)
おすすめ理由を出版社さまに伺いました!
リベラル社 伊藤光恵さま(出版広報部)よりメッセージを頂きました。
ご協力ありがとうございました。
1項目、1ページの構成で、自分の今の気持ちに合ったものを、無理せず、どこから読んでもいいという作りになっています。
8章にわかれた章タイトルも、いずれも松浦弥太郎さんが生きていくために大切にしていることばです。
しんどい時や苦しんでいる時、もうダメだと思った時に寄り添ってくれます。
自分に寄り添ってくれると感じることばから、選んで読み進めていただければと思います。
8つの章タイトルに合わせて、150篇から選んで編ませていただきました。
各章タイトルを表すような篇を選び、物語を読むように、最初は心に寄り添い、次に導き気づかせ、幸せや前向きな気持ちを鼓舞させ、背中を押す、とステップを踏むような流れを各章で意識して構成しています。
松浦さんの日常の風景を切り取った写真を本の中に散りばめています。
読む時の箸休めになるように、また言葉をイメージできる画像として配置しています。
今、とてもしんどい思いをしている方、苦しいなと思っている方、もうダメだと思って追い詰められている方など、生きるのがつらいなと、感じている方に読んでほしいです。
また日常の大変さや慌ただしさで「自分を愛すること」を忘れてしまっている方にも、読んでいただきたいです。
読むことで、松浦さんのことばが支えになったり、育ててくれたり、助けてくれたり、励ましてくれたり、守ってくれます。
また、自分の現状を受け入れ、自分の愛しかたを知り、自分を愛するように人を愛し、自分の価値に目覚める、ことが期待できます。
松浦さんが生涯を通して大切に紡いできたことばを、「お守りのことば」というタイトルでパッケージしています。
松浦さんの目線で切り取った日常の写真から、コンセプトである「ていねい」に生きるという息遣いを感じてもらえると思っています。
私が文庫を担当するようになって、この作品の元本になる原稿(『孤独を生きる言葉』松浦弥太郎 著/河出書房新社)を読んだ時、何度も涙が押し寄せてくるのを耐えながらボロボロになりながら読み切ったのを覚えています。
これは今は絶版になっているけれど、絶対世の中の人に読んでほしいと思いました。
『孤独を生きる言葉』の「おわりに」で、「孤独を生きる」とは「自分の愛し方を学ぶことではないか」と書かれているのを読んで、松浦弥太郎さんの読者層である私を含めた20-50代以上の女性達が、きっと仕事や子育て、家庭などに振り回されながら、日常の慌ただしさに息切れしながらなんとか日々を生きていて、思ったようにいかない人生に焦燥感や渇きを感じているのではないか。
この本によって「自分を愛するということ」の大切さ、それを自分が求めていたと気づき、生きる上での支えになってくれるのではないかと思いました。
なので、「自分を愛すること」を仮のテーマで制作を進め、すべての項目を加筆修正、12篇を追加しています。
松浦弥太郎さんから最終タイトルを「お守りのことば」にしたいと提案された時に、「自分を愛すること」がお守りになるんだと、ピッタリだと思いました。
文章の順や章を立て、写真を入れて、再構成しています。
読者に伝えたい想いについて、松浦さんに以下のメールを送っています。
ちょうど仕事で大きな失敗をした後で、いろんなことがうまくいかなくて、少し投げやりになってささくれ立っていた心に、松浦さんの言葉の一つひとつが、沁みました。
「それなり」にやっていたことをあらため、きほんに立ち返り、自分で自分をもう一度、信じてみよう。という心持ちになりました。
この本を手にとってくださる読者の方々も、様々な日常を生きておられる中で、苦しいこと、うまくいかないこともあるかと思います。
その中で、生きていくことは大変なことです。
私がそうであったように、松浦さんのことばに力をもらって、もう一度、自分を信じて前を向けたら、それは素晴らしいことだと思いました。
メンタル本大賞®2025 選考観点
リベラル社は自分たちの作る本に、メンタルヘルスの精神を取り入れたものを大切にしてきました。
人生を生きていくのは簡単ではありません。
大人になると家族と少し距離ができて、日々の忙しさから友人とも疎遠になりがちです。
つらい時やしんどい時に、励ましてくれたり叱ってくれたりする人はなかなかいないのかもしれません。
そういう時に、支えになってくれるものがあれば、心強いと思います。
この本は、そんなしんどい人生を一緒に歩んでいく時に大切なお守りです。
あたたかな心や生き方にメッセージで触れられる、そのような本となっていれば嬉しいです。
メンタル大賞®のエントリー・受賞作品の発表を毎年楽しみにしております。
いつの時代もそうなのかもしれませんが、今のしんどい世の中を生きる人たちにとって、大切な賞だと思います。
この賞を本に携わる業界の人たちの良識と心で支えて盛り立てていきたいと感じています。
その一助になれたら幸いです。
このたびは、2023 メンタル本文庫賞に輝いた 『「頑張る」をやめてみる』(根本裕幸 著) に続いてエントリーいただき、誠にありがとうございます。そして私たちの活動に対する大変励みとなるメッセージを頂き、心より感謝申し上げます。
著者の松浦さまのあたたかいメッセージをこの作品を通して、壁にぶつかって追いつめられていたり、悩み苦しんでいる方々にお届けしていきたいと思います。