古本と新刊のこだわりの選書やアクセサリーなどの雑貨を取り扱う独立書店「百年の二度寝」(東京都練馬区)の店主 河合南さまより書評をお届けします。
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ココロの友だちにきいてみる 細川貂々 著 笠間書院 2023年10月発売 |
書評
漫画『ツレがうつになりまして』(幻冬舎)や、『セルフケアの道具箱』(晶文社)の挿絵で知られる細川貂々さんの著書。
貂々さんが、毎日つけていたイラスト日記を書籍化したものです。
このイラスト日記は、貂々さんがその日感じたことが上段、「ココロの友だち」のコメントが下段に描かれるという構成になっています。
「ココロの友だち」は、貂々さん自身の心の中にいる存在。
つまり、自分が思った事に自分でツッコミを入れているような感じです。
これまで読んできた数々のメンタル本で勧められているのが、「自分の気持ちを書き出すこと」「書き出した気持ちを一度客観的に見直すこと」。
本書の場合、「自分の気持ち」が貂々さんの絵日記、「客観的に見直」した結果がココロの友だちのコメントなのだと思います。
やり方自体はオーソドックスなものなのですが、漫画家イラストレーターならではの表現で、方法論と効果をわかりやすく表現されているのがすごいです。
イラスト中心の本ですし、1日1ページという構成もわかりやすいので、文字が詰まった本を読むのはちょっとしんどい……という時にも負担なく読むことが出来ます。
読むと自分自身も「ココロの友だち」が欲しくなる、そんな一冊です。
評者プロフィール
河合南(かわい・みなみ)
東京都練馬区の書店「百年の二度寝」の店主です。発病してから15年以上付き合ってきたうつ病の当事者でもあります。店主自身が精神疾患の当事者と言うこともあり、精神疾患の当事者さんや周囲の方が読める本にも力を入れています。
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