【書評】『あなたの「しんどい」をほぐす本』（評者：實山美穂／元書店員）

閉店前の文信堂書店長岡店で文芸書・ビジネス書を担当。現在、小学館の小説ポータルサイト「小説丸」にもコラムを寄稿されている實山美穂さま（元書店員）より書評をお届けします。

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

あなたの「しんどい」をほぐす本
Poche 著／もくもくちゃんイラスト
KADOKAWA
2022年12月発売

書評

著者はSNSでも人気のカウンセラー、Pocheさん。
イラストレーターのもくもくちゃんのふんわりとかわいいイラストが目をひく本です。

はじめに、でも書かれてある通り、頑張らずに読めることを大切に作られているので、文章もイラストも一貫して、読みやすく、なによりも優しい。

読者のしんどい気持ちがほぐれるように、と著者の願いが込められていますが、何がしんどいのかは、人それぞれだと思います。
そのいろんなしんどいに悩む人たちの、気持ちを認め、そのまま受け入れてくれます。

ネガティブなことを考えるあなたを否定しません。
イライラすることも怒りも否定しません。

驚くことばかりでした。

Pocheの新刊『あなたの「しんどい」をほぐす本』、本日発売です☺️

「自分なんて」が「自分らしく・自分らしさ」に変わる３５の考え方に、もくもくちゃん（@mok2mok2）の可愛いイラストを加えてお伝えします。
あなたのしんどさが、少しでもほぐれますように。
▶https://t.co/2sMuAl3GH3 pic.twitter.com/pOFv8Wk5FG

— Poche │心理カウンセラー (@Poche77085714) December 26, 2022

私も読んでいて、心当たりのあることや、経験のあることに思い当たりました。

著者のアドバイスに、「あぁそうだなぁ」と感じることもあり、本を通してカウンセリングしてもらったようです。

大人になると褒められる機会が格段に減って、悩みを口にすれば、ただの愚痴になってしまうし、ダメ出しも否定もされたくない。
しんどい気持ちから抜け出したいけど、正論は聞きたくない。

そんな矛盾した、わがままと言われるような心境にもなってしまいます。

優しくしてほしい。
自分の頑張りを褒めてほしい。

思い当たることがあれば、読んでみてください。

評者プロフィール

實山美穂（じつやま・みほ）
大学で心理学などを専攻し、卒業後、文信堂書店に入社。文芸書・ビジネス書他担当。文芸書担当を機に本屋大賞エントリー店となり、新書担当を機に新書大賞の投票に参加し、興味の赴くまま御書印プロジェクトにも参加。基本、本を読んで猫と遊んでいれば満足。2023年4月10日をもって、文信堂書店長岡店がCoCoLo長岡より撤退。それにあわせて文信堂書店を退社し、今に至る。小説丸の、書店員さんのコラムに参加。