きょう PR

【書評】『「ひとりで頑張る自分」を休ませる本』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

作品紹介・書評はこちら

「ひとりで頑張る自分」を休ませる本
大嶋信頼 著
大和書房
2019年6月発売

書評

この本は、現代社会で「いい人」や「頑張る自分」を演じることが自己嫌悪や精神的疲労を引き起こすことを探求しています。

本書の主なテーマは「自分中心」の生き方を促進することであり、他人の期待に応えようとするあまり自分を犠牲にしてしまう現代人に対し、自分を大切にすることの重要性を教えてくれます。
具体的には、脳科学や心理学に基づいたアプローチを用いて、自己肯定感を高める方法やストレスから解放されるための実践的なテクニックが紹介されています。

また、心の疲れを癒し、自己肯定感を高めるための具体的なテクニックやメソッドも紹介されています。
無意識に働きかける方法やリラックスするための習慣を取り入れることが心の健康に寄与することが説明されており、特に睡眠や瞑想、ブレインストーミングなどの手法が効果的であるとされています。

著者は「否定的な思考を手放す」ことの重要性にも触れ、アイデアや感情を否定せずに受け入れることで、無意識から新たなインスピレーションが得られるとし、このプロセスが自己肯定感の向上にもつながるとしています。
このように、本書は心の健康を保つための実践的なガイドとして、多くの読者に支持されています。


製薬会社で研究に従事する者として、自己肯定感や心の健康に関するテーマは日々の業務や研究の中で非常に身近に感じる課題です。
本書は、「いい人」や「頑張る自分」を演じることで生じる精神的負担に光を当て、そこから解放されるための具体的な手法を紹介しています。
科学的なアプローチに基づいて自己理解を深め、自分らしさを取り戻すこのプロセスは、現代社会の多忙な環境下で働く研究者や医療従事者にとっても大きなヒントになると感じました。

研究職では、成果を上げるプレッシャーや他部署からの期待が常に付きまといます。
これらに応えることは重要ですが、自分の健康や感情を後回しにする傾向は否めません。
本書が提唱する「自分中心」の生き方は、こうした状況においてバランスを取り戻すための指針となります。
自己犠牲的な態度が生産性を一時的に向上させる一方で、長期的には燃え尽き症候群やモチベーションの低下を招く可能性がある点は、科学的にも明らかにされています。
自分の心の声を尊重することの重要性を改めて認識させられました。

研究職は結果が見えるまでに長い時間を要し、その過程で挫折や不確実性と向き合うことが日常です。
この中で、自分を否定せず、努力を認める自己肯定感を持つことは極めて重要です。
本書は、「否定的な思考を手放す」ことで新たな発見やインスピレーションが得られると述べており、研究の中での創造性や問題解決能力を高めるためのヒントとしても有用です。
否定的な感情を抑え込むのではなく、受け入れながら前進する方法は、多くの研究者にとって役立つ考え方だと感じました。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

公式サイト・SNS
X(@kyoshirok1)
公式LINE

きょうさまからのメンタル本大賞®へのメッセージ・推薦作品はこちら
(書評一覧はこちら

このページがお役に立ちましたら
上のハートマークを押してください。
当サイトは、日常生活において「しんどい」「生きづらい」と感じている方向けに【心が楽になる】書籍のご紹介を目指しておりますが、お読みになる方の悩みや状況の改善をお約束するものではございません。ご自身の責任においてご利用ください。
プライバシーポリシー・免責事項

こころの病気は誰にでも起こります。
不調やストレス症状が長く続いたり、日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関やカウンセラーに相談してください。

相談できるところはたくさんあります。
厚生労働省|みんなのメンタルヘルスには、相談窓口や医療機関についての情報が掲載されていますのでご参考ください。