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【書評】『職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

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職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全
井上智介 著
大和出版
2019年8月発売

書評

この本は、1万人以上の患者や相談者と向き合った経験を基に、心が軽くなる工夫やテクニックを紹介しています。
主なテーマとしては以下のような内容があります。

自己肯定感の向上

著者は、「ダ行を封印して自己肯定感UP」という具体的な方法を提案しています。
これは、ネガティブな言葉を使わないことで自分自身を肯定し、心の負担を軽減することを目的としています。
また、「人生は60点合格」とし、完璧を求めずに自分を受け入れることの重要性を説いています。

ストレス管理とリラックス法

本書では、不安を和らげるための「バタフライハグ」や、理不尽な人に対する「先制パンチワード」といったユニークなテクニックが紹介されています。
これらは、日常生活で簡単に実践できる方法であり、心の負担を軽減する助けとなります。

メタ認知と自己成就予言

心理学的なアプローチとして、「自分」と「他人」を分けて考えるメタ認知や、ポジティブな思考が成功につながる自己成就予言についても触れています。
これにより、自分自身の感情や行動を客観的に見つめ直すことができ、ストレスの軽減につながります。

身体と心の健康

著者は、「体は心の疲れに正直だ」と述べており、精神的な負荷が身体に現れる症状についても警鐘を鳴らしています。
忙しい日常から一度離れ、自分自身の状態を見つめ直すことが大切だと強調しています。

この本は、働く人々が抱える「しんどい」を解消するための実践的な手法が豊富に盛り込まれており、特にストレスや不安に悩む方々にとって有益な内容となっています。
著者の温かいメッセージと具体的なアドバイスは、多くの読者に勇気と希望を与えることでしょう


製薬会社で研究を続ける中で、ストレス管理やメンタルヘルスは日々のパフォーマンスを支える重要な要素であると実感します。

研究者の視点では、「メタ認知」は実験計画や結果解析を行う際の基盤とも言える考え方です。
本書が示す「自分」と「他人」を分けて考える方法論は、仕事上の人間関係に悩む多くの人にとっても有効な手段でしょう。
また、ポジティブな思考が成功を引き寄せる「自己成就予言」についての説明も、実験の成功率を高めるためのモチベーション維持に通じるものがあります。

「体は心の疲れに正直だ」という言葉は、まさに研究者が日々実感する事実です。
特に締切間近のプロジェクトや複雑な課題に取り組む際、精神的負担が身体的不調として現れることがあります。
本書が身体のケアとメンタルヘルスの関連性を指摘している点は、多忙な現代社会において重要なメッセージです。

本書は、著者の豊富な臨床経験を基に、心の負担を和らげるための具体的かつ実践的なアプローチを提案しており、研究者や働く人々にとって大きな価値を持つ一冊だと感じました。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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