2022年は著者として優秀賞に輝き、2023年から選考委員としてご協力いただいている古山有則さま(メンタルトレーナー)より書評をお届けします。
こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法 加藤俊徳 著 WAVE出版 2021年7月発売 |
書評
「そうだったのか。だから過去の僕は行き詰まっていたのか」
のどにひっかかっている魚の骨が取れたとき、すごく気持ちいいですよね。
頭でぐるぐるしている謎が解けたとき、すごく気持ちいいですよね。
本書を読んで、僕は今までずっと迷宮入りしていた謎が解けてスッキリしています。
どんな悩みが迷宮入りしていたのか……。
『悩んでいるときに頭の中がグチャグチャになってしまうのをどうにかしたい』
抜け出そうと考えてると、余計に抜け出せない沼に入っていました。
この悩みの答えが、本書にはありました。
開かずの扉の鍵を発見してしまったのです。
悩みが消えないのは「脳が止まっている」から
― 悩みが消えないのは「脳が止まっている」から
(中略)
解決策を求めてあれこれ思考していると思いきや、実際には次の一手が見えない脳は、完全にストップ状態。解決策を考えている=脳が活発に動いている、ではないのです。実際にはただ「どうしよう」と迷っているだけで、思考が止まっています。
これを「自覚」することが、悩まない人への第一歩になります。
そして思考停止の状態から抜け出す方法は、次の「行動」を決めることです。出典:『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』加藤俊徳 著/WAVE出版(16-17ページ)
「悩みが消えないのは、脳が止まっているから」
ハッ!
そうなんです。
僕は悩み続けているときは、”考えている”と思ってしました。
しかし、このとき『脳視点』で見ると、脳は思考しておらず止まってしまっていたんです。
「え!この状態から抜け出すためにはどうしようと必死に考えているつもりだったのに、脳は動いていなかったなんて……」
本書を読み進めていくと、この状態から抜け出すためには、「次の行動を決めること」と書かれていました。
重要なのは知識量ではなく、知識をどう使うか
知識を
「記憶する」脳ではなく
「動かす」脳をつくる(中略)
知識は「記憶」として脳に蓄積されていきますが、知識だけではいつかマンネリ化していき、脳は成長しなくなります。重要なのは知識量ではなく、知識をどう使うかです。
出典:『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』加藤俊徳 著/WAVE出版(84-85ページ)
過去の僕は、考えているだけで終わっていたんです。
「次はあれをやってみればいいんだ」までは考えるのですが、もっといい方法があるのではないかと考えてしまい、行動をすると決めていませんでした。
行動をせずに、先延ばししていたことが、脳のモヤモヤが消えない原因でした。
『脳アプローチ』でハマった僕は、本書を繰り返し読み、自分の脳を「知識を『記憶する』脳ではなく、『動かす』脳をつくる」ように行動をし続けています。
ストレスが減っているのは、考えている”だけ”をやめ、行動をしているからです。
今まで本を読んで満足、知って満足していました。
それでは、悩みに対して不安な気持ちを抱え続けることになります。
本書を読んだあなたも「たくさんヒントを得た!」とはなるかもしれませんが、また同じように悩んでしまうとしたら、『次の行動』をすることです。
なんでもいいんです。
本書に書かれていることをベースに動いてみましょう。
メンタル本大賞をきっかけに本書と出会い、救われました。
評者プロフィール
メンタル本大賞2022 優秀賞
古山有則(こやま・あきのり)
メンタルトレーナー
大学院修了後、相続専門税理士法人に勤め、その後独立。
燃え尽き症候群や円形脱毛症をきっかけに、書籍を1万冊以上読み漁る。
高校時代に野球の国民体育大会(国体)優勝で培ったメンタル強化メソッドを統合し、
「今が人生でいちばん楽しい」状態を常にアップデートできる独自のメントレを導き出す。
「あなたが今、どんな状況・どんな状態だったとしても価値がある」というメッセージを届けるのがミッション。
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
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