Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
書評
この本は、心の内面を「ココロちゃん」というキャラクターに擬人化し、自己理解と自己肯定感を高める方法を提案しています。
主な内容
ココロちゃんの性格と特性 ココロちゃんは頑張り屋で、他者からの認識や承認を求める性質を持っています。
また、いじめや否定的な言葉に敏感です。
これらの特性を理解することで、自分自身の心の動きを知り、受け入れることができます。
自己肯定感を高める方法
自己肯定感を向上させるための44の具体的な方法が紹介されています。
自分自身に優しく接することや、ポジティブな言葉を使うことが含まれています。
特に「ココロちゃん」と仲良くなるためのワークが用意されており、実践的なアプローチが強調されています。
思考と習慣
ココロちゃんは自分に正直でありたいと願い、他人から尊重されたいという欲求を持っています。
日常生活でどのように自分自身を大切にするかが解説されています。
例えば、綺麗好きであったり、自然を愛することなどが挙げられています。
心との対話
「あなたの心に住むココロちゃん」と対話することが重要だとされています。
自分の気持ちや思考を大切にし、それに耳を傾けることで、より良い自己理解が得られると述べられています。
このアプローチは、特に自己肯定感が低い人々にとって有効です。
このように、『ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ)』は、自分自身との向き合い方や心のケアについて具体的かつ実践的なアドバイスを提供しており、多くの読者にとって役立つ一冊となっています。
この本は、心の内面を「ココロちゃん」というキャラクターに擬人化し、自己理解と自己肯定感を高めるための実践的なアプローチを提案しています。
特に、製薬会社の研究者として日々プレッシャーの中で働く立場から見ると、心のケアは極めて重要であり、この本が提供する自己理解の手法は、ストレスの多い職場環境でも役立つと感じました。
本書は、まず「ココロちゃん」の性格や特性を通じて、自分の心の動きを理解することの大切さを説いています。
ココロちゃんは、他者からの承認を求める一方で、否定的な言葉やいじめに敏感であると描かれています。
研究者としては、プロジェクトの成果やチームの評価に直面することが多く、自分の努力が認められないと感じる場面も少なくありません。
そうした時に、ココロちゃんの特性を理解し、自分の心がどのように反応しているのかを客観的に見つめることで、冷静さを保つ手助けになるでしょう。
さらに、自己肯定感を高める44の具体的な方法が紹介されており、その実践的な内容が魅力的です。
日々の業務に追われる中でも、自分に優しく接し、ポジティブな言葉を使うことで、心の負担を軽減し、自信を取り戻すことができます。
特に、ココロちゃんと仲良くなるためのワークは、シンプルでありながら深い気づきを与えてくれるもので、自己ケアの一環として取り入れやすいと感じました。
また、ココロちゃんの「思考と習慣」についても、非常に共感できる点が多くありました。
例えば、自然を愛したり、整理整頓を心がけたりすることで、心が落ち着くといった提案は、忙しい研究者の生活にも取り入れやすい方法です。
特にラボの環境は整理整頓が大事ですし、自然の中でリフレッシュすることは、仕事で煮詰まったときの良いリセット方法になります。
本書のもう一つの重要なメッセージは「心との対話」の必要性です。
研究開発の世界では、技術的な問題やデータの結果に追われる日々が続く中で、自分の感情に耳を傾けることが疎かになりがちです。
しかし、自分の気持ちを認識し、それに向き合うことで、自分を大切にする方法を見つけられるというアプローチは、非常に有効です。
特に自己肯定感が低くなりがちな方にとって、この本のメッセージは、心を軽くする一助になるでしょう。
総じて、この本は、心の健康を大切にしながら日常を過ごすための具体的な方法を提供しており、特に忙しい日々を送る研究者や専門職の人々にとって、有益なガイドになると感じました。
自分の「ココロちゃん」と対話し、自分を理解することで、より良い自己肯定感を築くための手助けとなる一冊です。
選考委員プロフィール
きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。
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