Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!
がんばらないことをがんばるって決めた。 考えるOL 著/おさつ イラスト KADOKAWA 2021年11月発売 |
書評
この本は、特に働く女性や社会人に共感を呼び起こす内容となっています。
本書の中心的なテーマは、「休むことも努力の一部である」という考え方です。
著者は、自身が過去に頑張りすぎて体調を崩した経験から、無理をせず自分を大切にすることの重要性を学びました。
彼女は、「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」という言葉で始まり、日常生活の中で感じる小さな幸せや優しさを見逃さないことが大切だと説いています。
本書は、以下のような章立てで構成されています。
がんばりすぎない仕事との付き合い方
仕事に対する考え方や、無理をしないためのヒントが紹介されています。
夢と憧れの手放し方
自分の夢や目標に対するプレッシャーを軽減し、より自由な発想で生きる方法について述べています。
ごきげんな日常の歩き方
日常生活の中で小さな喜びを見つけることの重要性が強調されています。
自分と他人の見つめ方
他人との比較から解放され、自分自身を受け入れることについて考察しています.
著者は、SNSでの共感を得た自身のつぶやきを通じて、多くの人々に「頑張らなくてもいい」というメッセージを届けたいと考えています。
彼女は、社会的な期待やプレッシャーから解放され、自分自身を大切にすることが、長い目で見て本当の意味での「頑張り」に繋がると信じています。
この本は、心が疲れている人々に寄り添い、日常生活の中で自分自身を大切にする方法を提案する一冊です。
読者は、自分自身を認め、無理なく生きるためのヒントを得ることができるでしょう。
本書は、特に働く女性や社会人に向けて、頑張りすぎることのリスクを伝え、休むことの大切さを説く一冊です。
製薬会社の研究者として、ストレスと心身の健康の関係性については日頃から関心を持っています。
本書の「無理をしない」メッセージは、過度なストレスが引き起こす健康リスクを予防するために非常に有意義だと感じます。
特に、現代社会では忙しい生活に追われ、常に成果を求められる中で、自分を休ませることが軽視されがちです。
適度な休養を取ることが、実は長期的なパフォーマンス向上や心身の健康維持に繋がることを改めて考えさせられます。
著者の言葉が示すように、自分のペースを尊重し、小さな幸せを大切にすることは、長い目で見て最も効果的な「頑張り」なのかもしれません。
本書は、心が疲れている人々に寄り添い、日常生活の中での安らぎや自己肯定感を育むための良いきっかけとなると思います。
選考委員プロフィール
きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。
公式サイト・SNS
X(@kyoshirok1)
公式LINE