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【書評】『1日3分でうつをやめる。』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

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1日3分でうつをやめる。
川本義巳 著
扶桑社
2019年10月発売

書評

この本は、著者自身のうつ病克服の経験を基にした「メンタルリセットプログラム」を中心に構成されています。

このプログラムは、以下の3つのステップから成り立っています。

ネガティブを止める

ネガティブな思考に向いている意識を止めることを目指します。

ポジティブを増やす

安心感やポジティブな感情を増やすための方法を実践します。

ネガティブを変える

ネガティブな思考パターンを変えることに焦点を当てています。

このメソッドは、紙とペンさえあればどこでも実践できるシンプルさが特徴で、気軽に取り組むことができます。

本書には、実際にこのプログラムを通じて職場復帰や結婚を果たした人々の実例も紹介されており、読者に希望と具体的な道筋を示しています。
また、うつ病だけでなく、うつ状態になりそうな人にも効果があるとされています。

著者は、元うつ病患者でありながら現在は「うつ専門メンタルコーチ」として活動しており、その経験から得た知見を基にこのメソッドを開発しました。

彼のアプローチはNLP(神経言語プログラミング)やコーチングの技術を取り入れており、過去のトラウマに触れることなく安全に行える点も大きな魅力です。

本書は、短時間で実践可能なメソッドを通じて、多くの人々がうつから解放される手助けをすることを目的とした書籍です。


製薬会社の研究では、日々の業務に失敗や長期的な不確実性が伴うことが多く、強いメンタルが求められます。
特に医薬品開発のように結果をすぐに得られない分野では、課題に直面するたびにポジティブなマインドセットを保つことが難しいこともあります。

このような環境下で著者の「メンタルリセットプログラム」は、仕事上のプレッシャーに対して健全なメンタルを維持するための貴重なツールとなり得ると感じます。

例えば、業務の合間に短時間で気軽に取り組めるため、意識的にネガティブな思考を断ち、前向きな感情を取り入れる機会を作ることができます。

本書の最大の魅力は、ネガティブな感情や思考に立ち向かうのではなく、「手放す」という方法を提案している点にあります。

これは製薬研究におけるマインドセットとも通じるところがあり、解決が難しい課題や失敗が続く中でも、困難を受け入れ、より良い視点を見出すための心の余裕を生むことができるのです。

著者が実例として挙げる職場復帰や結婚などの具体的なエピソードも、メソッドの効果を信じるための一助となっており、読者にとって「自分も変われるかもしれない」と思わせてくれる要素がふんだんに含まれています。

このプログラムのように、短時間で少しずつ自己肯定感を高め、困難な状況においても冷静に自分を整える術を身につけることは、研究業務のみならず人生全般において大きな意義を持つでしょう。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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