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【書評】『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

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小学館クリエイティブさま提供書影『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(名越康文 監修、加藤隆行 文/小学館クリエイティブ) 「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと
名越康文 監修/加藤隆行 文
小学館クリエイティブ
2023年8月発売

書評

この本は、自己評価が低く、自分を好きになれない子どもたちに向けて書かれており、彼らが自分自身を受け入れる手助けをすることを目的としています。

本書では、子どもたちが抱える「友だちと比べてできないこと」や「先生に怒られること」、「自分がダメだと思うこと」といった悩みに寄り添いながら、以下のような重要なテーマが展開されています。

自己肯定感の重要性

自分を好きになることの大切さを強調し、失敗や短所を受け入れることで、自信を持つことができるというメッセージが伝えられています。

失敗への理解

失敗したときには「よくがんばったね」と自分を褒めることの重要性を説き、失敗を恐れずに挑戦する姿勢を育むことが奨励されています。

感情の大切さ

自分の気持ちを大切にし、「助けて」と言える勇気を持つことが、他者との関係性を良好に保つために必要であるとされています。

人間関係の理解

嫌いな友だちがいることも自然であり、その感情を否定せずに受け入れることが大切だと教えています。

総じて、本書は、自己肯定感の重要性を伝えつつ、子どもたちが自分自身を受け入れるための具体的な方法や考え方を提供する一冊です。
これは、特に自己評価が低い子どもたちにとって、大きな支えとなるでしょう。


精神的な健康は幼少期の経験や自己評価が大きく影響するため、子どもたちが「自分を好きでいること」の重要性を学べる環境づくりが大切です。
この点で、本書が子どもたちに伝える「自己肯定感を高めるための具体的な方法」は、社会全体のメンタルヘルスの向上に寄与するものと感じます。

特に印象的だったのは、「失敗への理解」をテーマにした部分です。
失敗したときには「よくがんばったね」と自分を褒めることは、成長を阻害する完璧主義から子どもたちを解放する一助となるでしょう。

さらに、クラウドファンディングを通じて全国の学校図書館や保健室に本書を寄贈する取り組みは、多くの子どもたちにこのメッセージを届ける素晴らしい試みです。
自分らしく生きることの大切さが強調されているこの本が、子どもたちにとって「自分を認める」第一歩となり、困難な状況でも「自分を好きでいる力」を育ててくれることを期待しています。

本書は、自己肯定感を育むための優れたガイドです。
メンタルヘルスが注目される今こそ、この本が広く読まれ、子どもたちが自分を大切にする力を身につけていくための一助となることを願っています。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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