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【書評】『僕たちはもう帰りたい』(評者:菊池大幹/株式会社ブックダム・代表取締役)

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メンタル本大賞に協賛いただいている株式会社ブックダム 代表取締役の菊池大幹さまより書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 エントリー作品

僕たちはもう帰りたい
さわぐちけいすけ 著
ライツ社
2019年3月発売

書評

Twitterフォロワー数51万人を突破する「全日本もう帰りたい協会」をご存知ですか?

働いている人なら誰しも一度は思ったことがある(?)、仕事に行く前からすでに「もう帰りたい」という気持ちが日々呟かれているアカウントです。

この本に登場するのは、年齢も性別も立場も異なるけど、行き場のない「帰りたい」という願いを持つ人々。

思わず「分かりみ!」と感情移入してしまうストーリーを、同じくTwitterフォロワー数18万人を突破するさわぐちけいすけさんが描いています。

帰れない理由

全7章のストーリーで描かれる帰りたくても帰れない悩みは、私自身も体験したことがあるものばかり。

(中には現在進行形の悩みも・・・)

「お付き合い残業」
「改善されない非効率な業務」
「あの人とあの人の間で板挟み」
「仕事と家事・育児の両立」

人間関係あっての仕事ですから、帰れない理由は人の数だけありますよね。

登場人物を取り巻くシチュエーション、目に映る世界、心理描写が実にリアルです。同じような境遇にある方はつい自分を重ね合わせてしまうかもしれません。

今よりマシな場所がある

現実だけでもお腹一杯なのに、この本を読んで果たして救いを得られるの・・・?

と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

でも、苦悩だけで終わらないのがこの本の良さなんです。

疲れ切った各章の主人公がふらりと訪れてしまうスナックがあるのですが、そのスナックのママがすごく良い味を出していまして。

ボソッと呟く言葉にハッとさせられたり、心にズンと響いてきたり。希望の光が射し込んでくるような感覚になります。

中でも特に印象に残ったママの言葉がこちら。

なんで店の名前が「もう帰りたい」なんだ?

「もう帰りたい」ってのはさ……
今よりマシな場所があるって思える良い言葉だろう

出典:『僕たちはもう帰りたい』(さわぐちけいすけ 著、ライツ社/p215)

確かに帰る場所があること自体、よくよく考えてみたらありがたいことだし、当たり前じゃないよなと。

もし「ない」のであれば、どうしたらその場所をつくれるか考えて自分にできることを始めることからだよなと。

案外自分ですべてを抱え込んでしまうことで苦悩が生まれてしまっていることに気づき、少し心がフッと軽くなる。そう思わせてくれる言葉が、この本にはたくさんちりばめられています。

あるある川柳にニヤリ

この本に効いているスパイスはママの言葉以外にもたくさんあります。

随所に登場する働いている人にとってのあるある川柳がその一つ。
ちなみに私のお気に入り川柳がこちら。

数字では 割り切れないのが 家事育児

出典:『僕たちはもう帰りたい』(さわぐちけいすけ 著、ライツ社/p140)

なぜこの川柳を選んだのか。

その理由は私より私の妻に聴いたほうが的確な回答が返ってきそうなので、あえて深くは語りません(笑)

シリアスなストーリーに終始することなく、良い意味で自嘲気味な笑いが織り成すアクセントで、帰れない人々が抱く感情への「分かりみ」が一層深くなります。

最後に

「帰りたい。」

もし何らかの事情でその一言が職場で言い出せず、思い詰めてしまっているのであれば、この本をぜひ手にとられてみてください。

劇的に状況が一変するなんて上手い話はありませんが、この本を読むことで少し先の未来に灯る明かりに気づくことができるかもしれません。

おススメします。

評者プロフィール

菊池大幹(きくち・だいき)
1985年生まれ。大学卒業後、株式会社高橋書店に入社し、7年間営業部で書店営業に従事。その後、広告代理店の営業~新興出版社の創業参画を経て、2019年12月に株式会社ブックダムを設立。「本」と「書店」の存在に人生を救われた原体験から、その存在を通じ一人でも多くの人に必要とされる事業を行うことを基本指針に活動中。

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