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【書評】『発達障害サバイバルガイド』(評者:川本義巳/公認心理師&メンタルコーチ)

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昨年、選考委員としてご協力いただいた川本義巳さま(公認心理師&メンタルコーチ)より、エントリー作品の書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 ノミネート作品

発達障害サバイバルガイド
借金玉 著
ダイヤモンド社
2020年7月発売

書評

「メンタル本大賞2022」エントリー作品の紹介です。

今回は『発達障害サバイバルガイド』です。
借金玉さん著でダイヤモンド社から出ています。

この本の感想をひとことであらわすと

「検査や診断よりもこれじゃね?」

これにつきます。

本の内容は、発達障害の人が社会に出てぶつかりそうな課題について、借金玉さんなりの解決方法書かれています。

全部で47のヒントが書かれているのですが、それぞれ

  • 生活環境
  • お金
  • 習慣
  • 在宅ワーク
  • 食事
  • 休息
  • うつ

といったカテゴリーに分類されています。

カテゴリーだけ見ると

「新社会人が一人暮らしを始めるのに必要なスキルかな?」

と思えるような感じなのですが、実際発達障害の人にとっては、毎日がそんな感じなんですね。

普通ならこれくらいできそうなことができなかったり、
やってはみたものの失敗してしまったり、
そもそもやる理由とかやり方がわからなかったり。

こういうことに対して「なんでできない?」とか「ちゃんとやろうよ」みたいな指摘を受けるんですけど

「できるのであれば、とうの昔からやってます!」

というのが本音だと思う。

そしてそういう指摘ばかり受け続けるからうつとかになってしまう。

これを二次障害といいますが、うつになる人って元々生きづらさを抱えていることが多くって、その原因が発達によるものが多いとされているんですよね。

発達障害という概念がわりと認知されてきて「実際そういう診断を受けてほっとした」いう話も聞かないわけではないのですが、やっぱり大事なのは「診断名」よりも「どうやって生きていくのか」という知恵です。

特に、この本にも書かれている、お金とか仕事とかは人生全体に影響してきますから。

この本の帯に「普通じゃなくていい、生き抜こう」と書いてありますが、そう。
生き抜く力が一番大事なんですよね。

そしてこれは発達障害に関わらずだから、「自分は違うから」と思っている人も、自分の人生を生き抜くために読んでほしいと思います。

あと個人的には冒頭の「もし、あなたが発達障害の二次障害で「うつの底」にいるなら、310ページを読んでください」というのが好きです。

●何もするな、この本も読むな

本書の冒頭にあった「もし、あなたが発達障害の二次障害で『うつの底』にいるなら、310ページを読んでください」という案内を読んで、このページに真っすぐ向かってくださったみなさんのために、この文章を書いています。

出典:『発達障害サバイバルガイド』借金玉 著/ダイヤモンド社(p310)

評者プロフィール


メンタル本大賞2021 選考委員
川本義巳(かわもと・よしみ)

三重県松阪市生まれ津市在住。
うつ専門メンタルコーチ/公認心理師/一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。それを機にうつ専門のプロコーチになることを決意。コーチング、NLP、アドラー心理学、エリクソン催眠を学び、それらを応用したメソッドを開発し、2010年個人コーチングを開始。自治体や上場企業でのメンタルヘルス研修講師や精神科クリニック、児童相談所、教育委員会での相談業務等でも経験を積み、10年間で1万件以上の相談、指導を行っている。

1日3分でうつをやめる。
川本義巳 著
扶桑社
2019年10月発売

メンタル本大賞2022 エントリー作品

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