「メンタル本大賞」の趣旨にご賛同いただき、受賞作品の審査に携わって頂く方のプロフィールをご紹介します。
河合南さまにご寄稿いただいた書評一覧
2023ノミネート作品 審査コメント
2022ノミネート「メソッド・考えかた部門」審査コメント
2022ノミネート「実践・ワーク部門」審査コメント
選考委員プロフィール
河合南(かわい・みなみ)
東京都練馬区の書店「百年の二度寝」の店主です。発病してから15年以上付き合ってきたうつ病の当事者でもあります。
公式サイト・SNS
百年の二度寝ホームページ
百年の二度寝 Twitterアカウント(@mukadeyabooks)
どのようにして百年の二度寝をオープンさせたのか……。
河合さんの想いが伝わるBOOKSHOP LOVERさんの連載記事「百年の二度寝が起きるまで その1:書店に勤めるまで」はこちら
<PR>選考委員告知
東京都練馬区の江古田駅近くにて、百年の二度寝という書店を運営しております。
店主自身が精神疾患の当事者と言うこともあり、精神疾患の当事者さんや周囲の方が読める本にも力を入れています。
コロナの影響もあってなかなか具体化できずにおりますが、生きづらさを抱える方のためのイベントやワークショップもいずれやってみたいです。
下記ツイートはBOOKSHOP LOVER 和氣正幸さんが訪れた際の取材動画。
店内の雰囲気がよく伝わってきます!
ありがとうございます!これ、編集してるわけでもドローンで撮ったわけでもなく、スマホで一発撮りなんですよ。さすが、BOOKSHOP LOVER! https://t.co/GNbkIuqt8k
— 百年の二度寝 4月29~5月8日に紙ものイベントやります (@mukadeyabooks) April 26, 2022
「百年の二度寝」アクセス
西武池袋線江古田駅から徒歩5分。
おしゃれな雑貨屋さんの奥にある本と雑貨とイベントスペースのお店です。
選考委員メッセージ
小さいときから「本のある環境」が好きで、図書館や書店は私の居場所でした。
大学卒業後は、アルバイトとして書店に就職し、それなりに辛いこともありましたが自分の天職と言える職業を見つけられた喜びを抱いて仕事に励んでいました。
だから重度のうつ状態に陥り、その天職を手放さなければならなかったこと、その後、かなりの長期間働けない時期が続いたことは、とても辛い思い出です。
しかし、本屋の仕事から切り離されても、本だけは私の近くに寄り添ってくれていました。
病状によって読むことの出来る量は増減しましたが、この頃の読書が自分の糧になっているのは確かです。
それらの糧や家族、支援者さん、友人、お客様のお陰で、いまは再び書店の店頭に立つことが出来ています。
ただ、読んでいる本に心ない記述があって、深く落ち込んでしまったこともよくありました。
また、しんどい時期には自分より一歩前を行く当事者さんの事例を読んで、自分には無理だとかえって落ち込んでしまったことも。
本屋という立場から、このようなミスマッチを防ぐためになにか出来ないかな?と思っております。
推薦作品
推薦作品①『私はこうしてサバイバルした』
『私はこうしてサバイバルした』こころの科学増刊 メンタル系サバイバルシリーズ 松本俊彦・斎藤環・井原裕 監修 日本評論社 2017年8月発売 |
評価コメント
精神疾患の当事者が病気と折り合いを付けて「サバイバル」するためにはどうすればよいのか、多様な立ち位置の著者による短文集。
何よりも、精神疾患の当事者、当事者であると同時に支援者でもある方(いわゆるピアサポーター)と、実際に精神疾患にかかりサバイバルしてきた方の生の声を沢山聞くことが出来るのが素晴らしい。
推薦作品②『ヒキコモリ漂流記 完全版』
ヒキコモリ漂流記 完全版 山田ルイ53世 著 KADOKAWA 2018年8月発売 |
評価コメント
人気のお笑い芸人による、ひきこもり時代の回想記。
進学校に適応しようとした無理が一度に吹き出してひきこもりに陥った中学校時代から、お笑いという表現手段を見つけようやく生活を安定させる(とはいえ、芸能の世界で自分の居場所を確保するのは大変そうですが)までの自分の姿を、少し突き放した視点から、しかし笑いを忘れずに描いた本です。
『ヒキコモリ漂流記 完全版』は中越裕史さん(心理カウンセラー)の推薦作品としてもご紹介されています!
推薦作品③『実録 解離性障害のちぐはぐな日々』
実録 解離性障害のちぐはぐな日々 Tokin 著/岡野憲一郎 解説 合同出版 2018年11月発売 |
評価コメント
なかなか理解を得がたい精神疾患の中でも、とりわけ誤解されがちな「解離性同一性障害」(正確な形容ではありませんがいわゆる「多重人格」)について、当事者のマンガ家さんが自身の経験を綴ったコミックです。
絵柄も可愛らしく、ギャグの切れも素晴らしいので楽しんで読むことが出来ますが、患者自身にも簡単には把握できないとされる病態を、ここまで正確にわかりやすく漫画に出来る著者の才能にはただただ脱帽です。
解離性同一性障害のみならず、精神疾患の当事者のサバイバル物語としても読むことが出来ます。