選考委員紹介・推薦作品 PR

【佐々木戸桃さま/文筆家・セラピスト】選考委員プロフィール・メッセージ

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「メンタル本大賞」の趣旨にご賛同いただき、受賞作品の審査に携わって頂く方のプロフィールをご紹介します。

佐々木戸桃さまにご寄稿いただいた書評一覧
2023ノミネート作品 審査コメント
2022ノミネート「実践・ワーク部門」審査コメント
2022ノミネート「職場・仕事部門」審査コメント

選考委員プロフィール


佐々木戸桃(ささき・ともも)
東京都出身。大学時代、学内文芸誌主宰を機に、自身の詩集(既に絶版)を出版。卒業後、広告代理店に入社し、クリエイティブ部門で製薬会社、文具メーカー等の販促ツール制作に携わる。徐々に組織内での振る舞いに疲れ3年後に退職、以降ライターとして独立。実用誌・ムック・書籍の取材執筆編集業務をする内に、関わる人々から公私問わず相談を受け続けていると気づき、独自のセラピー・カウンセリングスタイルを見出して本格的に活動開始。現在は、主に自身と同じHSP気質の医療・介護従事者クライアントのケアに注力しつつ、文筆活動もゆるりと継続中。

おもな著書
『ユニクロ★デコ・リメイク』佐々木戸桃、五十嵐友美 著(雷鳥社)
『NHKサラメシ あの人が愛した昼めしの店』NHK「サラメシ」制作班 編(主婦と生活社) ※編集協力

他、実用誌・ムック約200冊に、取材、編集協力クレジットあり。

公式サイト・SNS
Twitterアカウント(@tomomo_journal)

選考委員メッセージ

わたしはHSP気質なのですが、それが大きな要因で子どもの頃からうつ状態を繰り返してきました。
自分なりに対策を講じていても油断すると体調不良を起こし、ある日ようやく精神科受診をしたら『中程度うつ』との診断。
通常の生活がまともにできないレベルで、療養中は部屋の電灯を点けられず、パソコン画面の灯りのみで一人きりで過ごしていた時期も。
さなか、出版に携わっていながら、うつ特有の症状により、文字を読む事のできぬ落胆や不甲斐なさがもっとも印象に残っています。

今、書店には多くの心理・自己啓発・メンタル系の書籍が並んでいて「あの時の自分に教えたかったな」という作品もありますが、一方で似たタイトルの作品も多く、手に取りながら「今の自分のコンディションや気持ちには、どれがすぐフィットするかな?」と考え込み、結局決まらず店を去る…という日も珍しくはありません。

メンタル本大賞実行委員会の皆さまがその煩悶や葛藤に寄り添い、手を差し伸べる活動をされていると初めて知った時は、(わぁ〜これは助かる!)と思わず呟くほどの喜びを覚えました。

これから1人でも多くの方が、メンタル本大賞の細やかな情報からご自分の感覚に合うものを得て、活かし、先回りの道のりで健やかに生きられる事を信じ、願ってやみません。

推薦作品

推薦作品①『泥流地帯』『続 泥流地帯』


三浦綾子
『泥流地帯』(新潮文庫刊)
1982年7月発売

三浦綾子
『続 泥流地帯』(新潮文庫刊)
1982年8月発売

評価コメント

大正15年5月、北海道・上富良野一帯で実際に起きた『十勝岳噴火と融雪泥流』を元に描かれた長編作品です。

登場人物の心情、そして出来事がすぐさま目に浮かぶような丁寧な描写は、読み進めるうちに自然と「今、このコロナ禍をどう生きるか・生きているか」と重ね、感じうるものがあるかもしれません。

登場人物の言葉一つ一つが何よりリアルで素敵ですから、ひたすら時間を忘れてページをめくりたくなる非日常的な感覚を味わう事もできます。

培ったものが一瞬にして奪われる理不尽さ。
それでも人は生きる。
流され、這い上がり、思いやり合う。

生きる上でどこか揶揄され易い『真面目さ』の本質と尊さをやさしく諭してくれる教科書的な側面もあり、わたし自身が根本的に心を救われました。

「何をどう言われても、真面目でいいんだ」と。

二冊にわたる物語を手にした当初はそのボリュームに圧倒されたものの、それだけ価値のある壮大なストーリーは、“読書涙活”にもお勧めです。

推薦作品②『誰がために医師はいる』

誰がために医師はいる
松本俊彦 著
みすず書房
2021年4月発売

評価コメント

著者は、国内依存症治療の第一人者である、精神科医の松本俊彦氏。
第70回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作品であり、大きな話題となっています。

学生時代から精神医学に興味を覚えて以降少しずつ知識を得ていながら、依存症分野には大変疎く、「アディクション」という言葉を知ったのはつい数年前の松本先生の活動がきっかけでした。

本作の元は『月刊みすず』の連載であり、加筆・修正され一冊に。

わたしは連載初回から読んでいたのですが、当時、自分でも驚くほど吸い込まれる様に1話約10000字をあっという間に読み終えたものです。

現役の精神科医がいともつまびらかに自己を開示し、それがとびきり人間味に溢れている…こんな裏側まで描いて大丈夫なの?…とスリルをも味わいつつ、精神医学と本の深遠さを改めて実感しました。

医療とは?精神科とは?を深く辿り人間の性(さが)に徹底して迫るリズムは、“自分がいまここで自分である事”を見つめるのにもぴったり、と思っています。

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