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【書評】『生きづらいがラクになるゆるメンタル練習帳』(評者:佐々木戸桃/文筆家・セラピスト)

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セラピストとして、自分と同じHSP気質の医療・介護従事者クライアントのケアをしながら、文筆活動をされている佐々木戸桃さまより書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 ノミネート作品

生きづらいがラクになるゆるメンタル練習帳
バク@精神科医 著
ダイヤモンド社
2021年8月発売

書評

帯にあるように、バク@精神科医先生(以下バク先生)のツイッターは人気で、わたし自身も毎日楽しみにしている1人です。

初著書を出されると知り、出版後すぐに拝読。

精神科医としてどんな新たな事を教えて下さるのだろう?というわたしの期待は、拝読中はよい意味であっさり裏切られ、読了後にようやく気付くえも言われぬ余韻が何より心地よいものでした。

例えば、専門家による著書であれば、拝読前にどうしても肩肘を張り「伝授されます!頑張って会得します!」となりやすいのが自身のクセなのですが、バク先生のこの本は、タイトルの通り、「ゆるくそこそこに」のムードが漂っているのが特徴。

その流れにいつしかゆらゆら乗れたのが、とても新鮮で嬉しくもありました。

この一冊を通して真っ先に感じたのは『ある医師のものがたり』です。

バク先生ご自身の体験が豊富に織り込まれており、それはどこか随筆のよう。
ながらも、医師視点から授かる学びもかっちりとあった?!と読了後に振り返り、このような“ゆるりの中のメリハリ”が読者を選ばないのでは、と感じました。

もちろん、大きなテーマとする『生きやすさをもたらす擬態』のあり方も、豊富かつ丁寧に記されています。

とても響いたのは、p118の「擬態は社会人としてのマナーであり、演じる自分に誇りを持てばいい」という部分です。
そうした発想は、まさに目から鱗でした。

人には誰だって、明かしたくないことがあるし、隠したいことがあって当然ですし、フルオープンにされたら聞いた人のほうがどう対応していいのか困ってしまう個人情報だって多いです。

これは当たり前のことで、この世の中では、皆何かしら自分を擬態し、ドラマの配役のような人物を演じています。

ある種それは社会人として社会が混乱しないためのマナーです。

だから、何かを隠していることを卑下する必要はないし、演じ切っている自分に誇りを持てばいいのです。

出典:『生きづらいがラクになるゆるメンタル練習帳』バク@精神科医/ダイヤモンド社(p117-118)

擬態は自分を幸せにするための、自と他の線引きになる。

ひいては『一番大切なのは自分自身だということをどうか忘れないで』という強いメッセージ性へと繋がる鮮やかさが大変印象に残る一冊となりました。

評者プロフィール


佐々木戸桃(ささき・ともも)
東京都出身。大学時代、学内文芸誌主宰を機に、自身の詩集(既に絶版)を出版。卒業後、広告代理店に入社し、クリエイティブ部門で製薬会社、文具メーカー等の販促ツール制作に携わる。徐々に組織内での振る舞いに疲れ3年後に退職、以降ライターとして独立。実用誌・ムック・書籍の取材執筆編集業務をする内に、関わる人々から公私問わず相談を受け続けていると気づき、独自のセラピー・カウンセリングスタイルを見出して本格的に活動開始。現在は、主に自身と同じHSP気質の医療・介護従事者クライアントのケアに注力しつつ、文筆活動もゆるりと継続中。

おもな著書
『ユニクロ★デコ・リメイク』佐々木戸桃、五十嵐友美 著(雷鳥社)
『NHKサラメシ あの人が愛した昼めしの店』NHK「サラメシ」制作班 編(主婦と生活社) ※編集協力

他、実用誌・ムック約200冊に、取材、編集協力クレジットあり。

公式サイト・SNS
Twitterアカウント(@tomomo_journal)

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