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【書評】『マンガでわかる 休職サバイバル術』(評者:河合南/書店店主)

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古本と新刊のこだわりの選書やアクセサリーなどの雑貨を取り扱う独立書店「百年の二度寝」(東京都練馬区)の店主 河合南さまより書評をお届けします。

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

版元ドットコム許可書影『マンガでわかる 休職サバイバル術』 マンガでわかる 休職サバイバル術
加藤高裕 著、ミヨシ 漫画
主婦の友社
2022年11月発売

書評

この書籍の特徴を一つ上げるとしたら、圧倒的な情報量です。

自分の性格傾向を知るためのチェックに始まって、メンタルダウンを避けるための心得、心療内科を受診する際の注意点、休職中の過ごし方、復職のタイミング、休職後のキャリア構築など、休職にまつわる諸々がとても丁寧に説明されており、「休職」に関する情報を網羅した感があります。

特に充実しているのが、インタビューコーナー。
「休職保険」を販売している保険会社、企業の経営者、リワークプログラムの担当者、キャリアカウンセラー、人事部の部長と、休職にまつわる多彩な立ち位置からの視点に触れられる一方、なかなか手の届かない情報も入手できる有益なコーナーに仕上がっていると思います。

また、「SIDE B」として、企業側、マネジメント側が知るべき知識をまとめてあるのも、こういった書籍としては珍しいと思いました。

これだけの情報量ですので、本書は「辞書的」に使うこともできます。
精神状態がよくないなどの理由で通読が難しくても、自分の現状に合った部分だけを拾い読みすれば、一定の情報を得ることができ、役に立ちます。
それすらもしんどいようでしたら、様々な方の実体験をもとに描かれたミヨシさんの漫画だけを読むこともできますし。
また、休職する当事者の家族や会社の方が読んだり、事前の備えとして読んでおくのにもよいと思います。

心ならず休職する方の支えになるべく、とても真面目に作られた本です。
自分自身の立ち位置に合わせて、「使い倒す」ことができるかと。

評者プロフィール


河合南(かわい・みなみ)
東京都練馬区の書店「百年の二度寝」の店主です。発病してから15年以上付き合ってきたうつ病の当事者でもあります。店主自身が精神疾患の当事者と言うこともあり、精神疾患の当事者さんや周囲の方が読める本にも力を入れています。

公式サイト・SNS
百年の二度寝ホームページ
百年の二度寝 Twitterアカウント(@mukadeyabooks)

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