閉店前の文信堂書店 長岡店で文芸書・ビジネス書を担当。現在、小学館の小説ポータルサイト「小説丸」にもコラムを寄稿されている 實山美穂さま（元書店員） より書評をお届けします。
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かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方 時田ひさ子 著 あさ出版 2022年5月発売 |
書評
この本は、かくれ繊細さんの生きづらさに寄り添ってくれる一冊だと思います。
近年、かくれ繊細さんという言葉をよく聞きましたが、どういう性格特性を持つ人々のことなのか、私は全く理解せずに読み始めました。
著者自身もかくれ繊細さんであり、専門の心理カウンセラーということで、日々かくれ繊細さんたちと向き合っているそうです。
（参考）あさ出版さま提供画像かくれ繊細さんたちの特徴は、５ページにまとめられています。
ただ、読み終わった今も、かくれ繊細さんを説明することは難しいです。
誤解を受けやすい性質を持っていて、かなり複雑であることは理解しました。
まず、自分の本心を隠したがるかくれ繊細さんが、自分のことを言葉で表現して、生きづらさを打ち明ける、という難問があります。
そして、かくれ繊細さん（HSS型HSP）から、そうでない人（非HSP）に変わることができないという事実に驚きました。
ただし、かくれ繊細さんがこの本を読めば、生き方が大きく変わるのは間違いないと思います。
専門家に相談するのはハードルが高いでしょう。
大切なのは、自分の本心を誰かに伝えることではなく、自分自身がラクになることです。
タイトルにある、やりたいことを見つけるためには、まず自分の本心に気づいてあげてください。
その本心に気づくための方法が、この本には書かれてあります。
評者プロフィール
實山美穂（じつやま・みほ）
大学で心理学などを専攻し、卒業後、文信堂書店に入社。文芸書・ビジネス書他担当。文芸書担当を機に本屋大賞エントリー店となり、新書担当を機に新書大賞の投票に参加し、興味の赴くまま御書印プロジェクトにも参加。基本、本を読んで猫と遊んでいれば満足。2023年4月10日をもって、文信堂書店長岡店がCoCoLo長岡より撤退。それにあわせて文信堂書店を退社し、今に至る。小説丸の、書店員さんのコラムに参加。
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