2022年は著者として優秀賞に輝き、2023年以降は選考委員として参画。多数の書評を寄せて 2023選考委員MVP賞を獲得した 古山有則さま(メンタルトレーナー) の書評をお届けします。
この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ 井上智介 著 WAVE出版 2021年9月発売 |
書評
️会社を辞めたいあなたの必読書 ― 何か体に症状は出ていませんか? ―
「500円ハゲができていた時に読みたかった……」
あの時の僕が読んでいたら、きっともっと早く仕事を辞める決断をしていましたね。
ストレスで円形脱毛症になり、もっと頑張ろうと思った結果、数ヶ月で15キロ体重が落ちました。
それも牛丼とビックマックを食べているのに。
本書のこの言葉に早く出会いたかった…。
産業医として、たくさんの会社を見てきた私だからこそお伝えしますが、会社はあなたを助けてくれません。
(中略) 会社などの法人は原則、営利団体です。「体調が悪いなら、治してきてね。もし会社に利益をもたらす体調じゃないなら、うちには置いておけないなぁ。お大事に」というのが根本的な判断になってしまうのです。それが会社という場所です。
出典:『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』井上智介 著/WAVE出版(p6)
新入社員の頃の僕はこれを忘れていたんです。
周りから「大丈夫か?」と気づいてもらえるものだと思ったんです。
ゆっくり面談の時間をとってくれたり、休職や退職を勧められたりなどはありませんでした。
むしろクライアントに迷惑かけないように、もっと頑張ろうと指導を受けていました。
何か異変を感じた時は、休職や退職を勇気を出して選んでいくこと
今、冷静に思えば不思議ですよね。こんなに症状が出ているのに。
この記事を読んでいるあなたには、「自分の身は自分で守る」と刻んでほしいんです。
過去の僕のようにならないように。
このように思えば、もっと自分の体と心の状態に敏感になり、異変に気づいたりすることができるようになります。
自分で自分の状態を確認し、何か異変を感じた時は、休職や退職を勇気を出して選んでいくことです。
「石の上にも3年」を不健康のまま守り続けなくていいんです。
本書を読み進めていくと
- 危険サインに気づいたら会社を辞める選択肢を持つ。
(危険サイン=心と体が悲鳴をあげている状態) - 身近な人に相談をする。
もしいない場合は、精神科や心理カウンセラーに吐き出してみる。 - 体の不調に敏感になる。
不眠、動悸、難聴、依存症、何もないのに涙が止まらなくなる、髪の毛が抜ける、生理不順など。
など危険サインが具体的にどんな症状かが書かれております。
そして、過去の僕が感じた重要なことが言語化されていました。
- もしも死にたいと思うなら休む。
具体的にどこでどうやって死ぬかまで具体的に考えているなら、迷わず休職や退職をする。
あちゃ……まさにこれは僕が感じたことでした。
本書で出会っていれば、僕はもっと早くに僕の心と体をを守ることができたと思います。
あなたが会社を辞めたいと思っているとしたら、本書を読んでみてください。
もしも当てはまることがあれば、勇気を出して1歩を踏み出してみてくださいね!
評者プロフィール
メンタル本大賞®2022 優秀賞
メンタル本大賞®2024 選考委員MVP賞
古山有則(こやま・あきのり)
メンタルトレーナー
大学院修了後、相続専門税理士法人に勤め、その後独立。
燃え尽き症候群や円形脱毛症をきっかけに、書籍を1万冊以上読み漁る。
高校時代に野球の国民体育大会(国体)優勝で培ったメンタル強化メソッドを統合し、
「今が人生でいちばん楽しい」状態を常にアップデートできる独自のメントレを導き出す。
「あなたが今、どんな状況・どんな状態だったとしても価値がある」というメッセージを届けるのがミッション。
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
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