2021年、2022年と2年連続ノミネート(2021年は【特別賞】受賞)の著者で、選考委員としてもご協力いただいている 加藤隆行さま(心理カウンセラー)より書評をお届けします。
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ちょっとのコツでうまくいく! 躁うつの波と付き合いながら働く方法 松浦秀俊 著/高江洲義和 監修 秀和システム 2024年9月発売 |
書評
書店にも今ではうつに関する本はたくさん置かれていますが、躁うつの本となるとだいぶ少なくなると思います。
それは(軽)躁のときを正常と認識しており、うつ状態だけを病気と認識されていることが多く、ずっとうつだと思っていたら躁うつでした、ということがよくあるということのようです。
私はうつ病を経て、いまカウンセラーをしています。
双極症ではないと自分では思っていましたが、本書を読んでその気はあるなと感じました。
メンタルのことで医者に行けば医学的な病名をつけてもらえますが、病名は薬を的確に処方をするために同傾向な症状の人をまとめて分類したものであり、実は様々な症状が混じっているのがメンタルの現実かと思います。
落ち込みやすかったり、過剰に元気になったり、それが続きやすかったり、短気で終わったり。
また環境に影響されやすいのか、季節モノなのか、さまざまな要因が混じっており、総じて「心(脳内ホルモン)のコントロールが難しい傾向がある」ということだと思います。
この本は、『双極性』の切り口で書かれていますが、そのようなメンタル面で不安定な部分のある方全般にオススメできる本だと思います。
荒れる心の取り扱い方を現実的な方法でどう取り扱っていくかがしっかり書かれています。
認知行動療法を中心に、アサーション技法や、チャートを使った現状把握など、専門的な知識をベースとした豊富なワークとともに、著者自身の体験からのノウハウや具体例がその良いガイドとなっています。
メンタルに不安を抱えている方は、この本を読んで、まずはできるところから取り組んでみててはいかがでしょうか。
「ネガティブになったらAIに聴いてみる」といった面白いノウハウも載っており、私自身、人生に取り入れてみようと思いました。
評者プロフィール
加藤隆行(かとう・たかゆき)
ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。大手通信会社での激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、カラダだけでなく次第にココロとも向き合うようになる。2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、東京を中心に全国でカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。
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「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 名越康文 監修/加藤隆行 文 小学館クリエイティブ 2023年8月発売 |

その他著書 |
メンタル本大賞®2021 特別賞 『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』 |
『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由』 |
メンタル本大賞®2022 ノミネート 『「会社行きたくない」気持ちがゆるゆるほどける本』 |
※いずれも、発売:小学館/発行:小学館クリエイティブ |
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