Twitterやnoteなどでストレス対策や「こころが軽くなる本」を医療従事者視点で紹介しているめんたさまより書評をお届けします!
がんばらないことをがんばるって決めた。 考えるOL 著/おさつ イラスト KADOKAWA 2021年11月発売 |
書評
感情には「自分の状態を伝える」という役割があります。
悲しいとき、人に話ができると気持ちがスッキリするのは感情が役割をまっとうできるからです。
でも、ネガティブな感情を人に話すのは、ときにハードルが高く感じます。
また、身近に何でも話せる人がいなかったり、タイミングが合わなかったりするときもあると思います。
そんなときに本書を読んでみてください。
特に、”生きることに疲れを感じたとき”におすすめです。
著者はTwitterで「ありのままの自分を肯定する言葉」を呟いており、フォロワーは10万人超え、1ツイートで15万いいねなど多くの共感を得ています。
今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。
— 考えるOL (@thinkingoodol) August 24, 2020
本書を読むと、この「ありのままの自分を肯定する言葉」に、行き場のなくなった自分のネガティブ感情を肯定してもらえる感覚があります。
特に私の心が軽くなったのは次のフレーズです。
悲しいけれど、世界は簡単には変わらない。
生まれてくる場所を選べるようにもならなければ、優しすぎる人よりも自分勝手な人のほうが得をすることは多いだろうし、努力は必ずしも報われるものではない。
運が良かった人にはさらに幸運が訪れ、不幸に陥ればばさらに不幸が連鎖する。(中略)
それでも、世界の捉え方はいとも簡単に変えることができる。(中略)
不自由なこの世界を、自由に勘違いして生きていこうじゃないか。
無力な私たちの、素敵な悪あがきをしようじゃないか。出典:『がんばらないことをがんばるって決めた。』考えるOL 著、おさつ イラスト/KADOKAWA(p136)
働くことが嫌になっても、生活があるから働かないといけない。
そんなことを考えて
「なにやってんだろう…」
と自分の人生に虚しさを感じることがあるのですが、そんなときこそ”自由に勘違い”して人生を肯定していいんじゃないかと思えました。
行き場のない感情をスッキリさせることができる。本書はそんな1冊だと思います。
評者プロフィール
めんた
埼玉県出身。大学を卒業後、新卒で某医療法人に作業療法士として勤務。リハビリテーションに従事している。約10年の臨床経験から、病気を未然に防ぐ必要性を実感。万病のもとになり得る“ストレス”への学びを深めるために、ケアストレスカウンセラーを取得。現在はSNSを用いて「根拠のあるストレス対策」の情報発信に取り組んでいる。
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