2022年は著者として優秀賞に輝き、2023年以降は選考委員として参画。多数の書評を寄せて 2023選考委員MVP賞を獲得した 古山有則さま(メンタルトレーナー) の書評をお届けします。
「自己肯定感低めの人」のための本 山根洋士 著 アスコム 2020年9月 |
書評
生きづらさの原因はメンタルノイズ!正体はここで明らかになる
「あーーどうせこの友達もいつかは僕から離れていくんだろうな」
仲の良い友達とご飯を食べた帰り道に、ふと思ったことです。
酔っていたこともあり、その気持ちを本人にぶつけてみました。
そうすると友達は「そんなことないから!」と笑っていました。
本書を読み、過去の思い出と繋がったんです。
まさにこれが私にとってのメンタルノイズだったんです。
(本書に出てくる心のクセのこと)
僕は人付き合いが苦手でした。
それは、心の奥底でずっと「人は必ず自分から離れていく」と思い込んでいたのです。
思い込みは言動に影響を及ぼします。
そう思っていたので僕は本音を隠し、会話も踏み込んだ話を避けていました。
本書でも、メンタルノイズは「無意識」の中にあると書かれております。
意識ではなく無意識なので、普段から気付きづらいのです。
なんでうまくかないんだろう……
それは表面的な「意識」部分ではなく、心の奥底の「無意識」にあるメンタルノイズが原因だったからです。
ではどうやってアプローチするのか?安心してください。
読み進めていくときちんと書かれております。
人間関係の悩みをもっと前から改善できたかも
何かの出来事があると、ふとメンタルノイズは顔を出します。
頭の中に出てきませんか?
「絶対に無理だし」
「私なんかでいいのかな?」
このような言葉が頭の中に浮かんできたら(これが「無意識」な言動なので)、紙やスマホに可視化してみましょう。
冒頭に書いた話でいうと、たまたま僕は友人に「人は絶対に離れて行くと思ってるんだよね」と言いました。
そうすることと、可視化されたんです。
「あ。僕はずっとこう思っていたんだ」
数年前の出来事ですが、帰りの電車の中でそう思ったのを強烈に記憶しています。
つまり、その日僕は「無意識のメンタルノイズ」を掴ませることができたのです。
原因を掴まえることができたから、今があるんです。
早く本書に出会っていたら、人間関係の悩みをもっと前から改善できたかもしれません。
誰しもメンタルノイズはあるものなので、ぜひあなたも読んでみてくださいね。
評者プロフィール
メンタル本大賞®2022 優秀賞
メンタル本大賞®2024 選考委員MVP賞
古山有則(こやま・あきのり)
メンタルトレーナー
大学院修了後、相続専門税理士法人に勤め、その後独立。
燃え尽き症候群や円形脱毛症をきっかけに、書籍を1万冊以上読み漁る。
高校時代に野球の国民体育大会(国体)優勝で培ったメンタル強化メソッドを統合し、
「今が人生でいちばん楽しい」状態を常にアップデートできる独自のメントレを導き出す。
「あなたが今、どんな状況・どんな状態だったとしても価値がある」というメッセージを届けるのがミッション。
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
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