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【書評】『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします。

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しんどくなったら、心より先に体を整えよう
いちい葉子 著
アスコム
2024年11月発売

書評

本書は、特にストレスや心の不調を抱える人々に向けて、自分自身でできる新しい「しんどさ」解消法を提供してくれます。
特に心が不調なときにはまず身体を整えることが重要であり、身体を動かしたりリラックスする方法を学ぶことで心の状態も改善されるという考え方を学べます。
これは身体と心が密接に関連しているという心理学的な視点にも基づいています。

著者は整体講師としての経験を活かし、読者に対して実践的なアドバイスを提供してくれます。
例えば骨格の歪みを治してくれる簡単なストレッチや呼吸法など、自宅で手軽にできる方法が紹介されており、読者は日常生活の中で自分自身のケアを行うことができるようになります。

また本書では「気づくこと」の重要性も伝えてくれます。
自分自身の状態に気づきそれに対処するための具体的なステップを踏むことで、心身ともに健康を保つことができます。
このアプローチは、多くの人々が抱える「何をやっても心がラクにならない」という悩みに対する解決策となるでしょう。

このように、「しんどくなったら、心より先に体を整えよう」は、心と身体の相互作用を理解し、自分自身で健康を管理するための実用的なガイドです。


製薬会社の研究者として身体と心の関係や相互の影響には日々関心を持っています。
慢性的なストレスは免疫機能や神経系に悪影響を及ぼし、身体的不調が心の不調をさらに悪化させるという悪循環を招きます。

本書が提案する、骨格の歪みを改善するストレッチや呼吸法といったアプローチは、こうした悪循環を断ち切るための手段として極めて実践的です。
これらは研究室での長時間のデスクワークや不規則な勤務に起因する身体の不調にも応用できると感じました。

研究者として多忙な毎日を過ごす中で、自分の身体や心の状態に意識を向ける時間を確保することは簡単ではありません。
しかし、本書を通じて、日常の中で少し立ち止まり、自分自身に向き合う時間の重要性を再認識しました。自分の状態を正確に把握することは、健康管理やパフォーマンス向上だけでなく、長期的なキャリア維持にも直結します。

さらに、心の不調を抱える方々への医療や支援の現場においても応用できる可能性があります。
ストレスや心身の不調に関する理解が進む中、心と身体の相互作用を包括的に考慮したアプローチが必要とされています。
本書の内容は、医薬品開発や新しい治療法の研究においても、補完的な視点として役立つと感じました。

総じて、本書は、日常生活でストレスや不調を感じている方々にとって、心身の健康を取り戻すための実践的なヒントが詰まった一冊です。
心のケアを考える際に身体の状態を整えるという視点を持つことの重要性を教えてくれる本書を、多くの人に薦めたいと思います。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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