2021年、2022年と2年連続ノミネート(2021年は【特別賞】受賞)の著者で、選考委員としてもご協力いただいている 加藤隆行さま(心理カウンセラー)より書評をお届けします。
しんどくなったら、心より先に体を整えよう いちい葉子 著 アスコム 2024年11月発売 |
書評
一昔前までは懐疑的に捉えられてきた感もある「心と体はつながっている」や「病は気から」といった言葉も、今ではもう多くの方が認められているところだと思います。
とはいえ未だ、心のことは心理学やカウンセリング、体のことはスポーツクラブや整体へと、別々に取り組まれることが大半かと思いますし、提供されている情報もどちらか片方からのアプローチのものばかりです。
そんな中この本は、その「心と体の橋渡し」をしてくれる画期的な本だと思います。
本書を手に取ったとき、メンタル本大賞へエントリーされている本なので、最初は当然メンタルの本だろうと思い読み始めました。
そのとおり第一章は心のことから入り、ふむふむと読み進めるうちに、そうだよね体って大事だよねと、気がつけば自然と体の大切さへと導かれていきます。
心・メンタルは、思考や感情が複雑に混じり合ってできていますが、実はその大本は「フィーリング=感覚」でできています。
安心”感”や不安”感”、優越”感”や劣等”感”、そして自己肯定”感”もすべてが「”感”覚」から生まれます。
ではその感覚はどこから生まれているかと言えば、もちろん「体」です。
だから「体が硬直している人は、心もカタイ(p147)」わけで、体が整い血流がよくなり温かくなれば、心も温かい感覚になっていきます。
そんな心と体のつながりが、著者さんの優しい語りで綴られ、するすると体に染み込んでいきます。さらに実践的な体操も紹介されることで、読み終えたころには心と体も軽くなっていることに気づきます。
メンタルが落ちているときは、心の問題にだけフォーカスしがちです。ぜひこの本を読んでみて体へのアプローチの大切さに気づいてもらえたらと思います。
評者プロフィール
加藤隆行(かとう・たかゆき)
ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。大手通信会社での激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、カラダだけでなく次第にココロとも向き合うようになる。2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、東京を中心に全国でカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。
「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと 名越康文 監修/加藤隆行 文 小学館クリエイティブ 2023年8月発売 |
その他著書 |
メンタル本大賞®2021 特別賞 『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』 |
『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由』 |
メンタル本大賞®2022 ノミネート 『「会社行きたくない」気持ちがゆるゆるほどける本』 |
※いずれも、発売:小学館/発行:小学館クリエイティブ |
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