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【書評】『あやうく一生懸命生きるところだった』(評者:加藤隆行/心理カウンセラー)

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加藤隆行さま(心理カウンセラー)より、ノミネート作品の書評をお届けします!
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あやうく一生懸命生きるところだった
ハ・ワン 著/岡崎暢子 訳
ダイヤモンド社
2020年1月発売

<メンタル本大賞実行委員会より>
加藤隆行さまは、「メンタル本大賞2021」ノミネート作品『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』(小学館クリエイティブ)の著者ですが、このたび実行委員会の活動にご賛同いただき、書評を寄稿いただけることとなりました。心よりお礼申し上げます。

※加藤さまは、ノミネート作品の選考には携わりません。

書評

「疲れた心が楽になる本」を選出する【メンタル本大賞 2021】のノミネート作品から読みたいものをピックアップして感想を述べます。

【背負った期待を下ろして、本当の自分に戻れる本】

一昨年話題となった映画『パラサイト 半地下の家族』などでも描かれるように、韓国は熾烈すぎる競争社会の中にあります。

「優秀な大学へ入り、財閥系会社員か公務員になる」という一本道があり、そのレールに乗れなかったものは「落伍者」の烙印を押されてしまう、らしい。

そんな社会的“正解”を求める道から飛び降りて、「地位もお金もなくとも自分のためにのんびり生きる」ことを選んだ著者さんが、ありのままな等身大の言葉で描いたエッセイです。

ありのまま過ぎて、パンツ一丁でスネ毛ボーボーのオッサンのイラスト満載というのが、なかなか日本にないテイストでオツですね。

つい一生懸命生き過ぎてしまう私たちに

この本は、自己啓発書や心理学の本ではありません。

だから誰かを「啓発」しようという想いや、「心の仕組みや理論」などを解説しようとかいう気負った部分はカケラもありません。

厳しい社会の中で抱えるモヤモヤや、ちょっとした愚痴や諦めも交えた文章は、本当に近所の知り合いと酒でも飲みながら話している感覚でスルスル読めます。

ご自身が社会のアウトローとなってしまった中で感じてきた葛藤を、どう自分の中で整理してきたのか。

サラリとつぶやかれる飾らない言葉の数々が、いつも社会の期待を背負いすぎ一生懸命生き過ぎてしまう私たちに、たくさんの「ゆるし」をくれます。

人生における正解とは?

韓国と日本でベストセラーとなった本書は、韓国ではその激しい競争社会へのアンチテーゼとして絶賛されたのだと思います。

一方現在の日本では、高学歴・大会社信仰が崩壊していく真っ只中にあり、「社会に合わせる」のではなく「自分らしく生きる」ってなんだろうと、みなが真剣に考え始めたところです。
だからこそ、この本は日本人にもピタリとハマったのではないかなと思います。

“正解”を歩む人生は、それはそれで意義あるものなのかもしれません。

しかし“社会の正解”の外に出てみると、そこには“私だけの正解”があります。

そして正解がないからこそ人生って楽しいんだよということを、この本は教えてくれます。

疲れた人の背中を「もっと気楽に生きてみたら」とポンと押してくれる優しい本。
読後にはガチガチの心と身体がゆるんでいると思います。

あと、日本語訳が素晴らしくて、翻訳本とは思えない気持ちよさで読めるとこもオススメです。

かとちゃんは、メンタル本大賞を応援しています(^ω^)
☆「メンタル本大賞」読者投票受付中!8/31まで

出典:加藤隆行さまFacebook投稿(2021年8月2日)

評者プロフィール

メンタル本大賞2021 ノミネート作品著者
加藤隆行(かとう・たかゆき)

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。
福井大学大学院工学研究科卒業後、SE としてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30 歳のとき体調が激烈に悪化。3 度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。
2015 年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、全国でカウンセリングやセミナーを開催している。

これまでの著書に『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由』(ともに小学館クリエイティブ)があり、第3弾となる今作は、過去2作で解説した理論をより具体的かつ実用的な内容に落とし込んだ“実践編”となる。

「会社行きたくない」気持ちがゆるゆるほどける本
加藤隆行 著
小学館クリエイティブ
2021年4月発売

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メンタル本大賞実行委員会によるインタビュー
著者の加藤隆行さん、編集者の寺澤薫さん(本作品を担当:小学館クリエイティブ)と酒井徹さん(過去2作品を担当:同)にお話をうかがいました!

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