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【書評】『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(評者:一條仁/社会福祉士)

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本業の傍ら、恩送りをカタチにした「ペイフォワードカフェ」という取り組みを行っている一條仁さまより書評をお届けします。

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多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
Jam 著/名越康文 監修
サンクチュアリ出版
2018年7月発売

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』について書いていきたいと思います。
本著の中で印象に残った3つのことばを紹介した後に、本著全体の感想を書きたいと思います。

1.人に理解されたいと願う自分が、人を理解できているか

孤独があるから
大切な人や時間が輝いて見える

出典:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』Jam 著、名越康文 監修/サンクチュアリ出版(94ページ)

孤独や寂しさを感じ、自分がひとりぼっちだと感じることはありませんか?
このことばは、そんな孤独を肯定的に捉えられる力を与えてくれるように感じました。

寂しいという感情の根本には、「人に理解されたい」「知ってほしい」という気持ちがあるのではないでしょうか。
まずは自分自身を理解し、「孤独と感じている」自分がいることを認める。
孤独があるからこそ、誰かと過ごす時間がより一層輝いて見えるのだと思えるようになりたいと思いました。

2.自分を大切にすることの本当の意味

自分を大事にすることも、大切な人の為になる

出典:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』Jam 著、名越康文 監修/サンクチュアリ出版(107ページ)

誰かのために無理をしてしまう人は少なくありません。
ですが、視点を変えて、「誰かのために無理しない」という考え方ができるといいなと感じました。

大切な人を大切にするためには、自分自身を大切にすることが不可欠。
一方で、無理をせず、自分を労わりながら、相手のためにもなる生き方ができればいいなと思いました。

3.執着を手放すための新しい視点

失いたくないものは、自分のものではなく
借りているものだと思ってみる

出典:『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』Jam 著、名越康文 監修/サンクチュアリ出版(117ページ)

この言葉にはハッとさせられました。
ぼくは「何かを所有する」という感覚が苦手で、所有することで責任を感じてしまうからです。
失いたくないという気持ちが強くなりすぎると、思い通りにならないときに心が乱れてしまいます。

けれど、「自分のものではなく借りているものだ」と考えることで、心が軽くなる気がしました。
所有物なんて存在しない。ただ借りているだけ。

だからこそ、大切にしたいし、貸してもらった分を丁寧に返したい。
そんな気持ちを自然に持てるようになるのではないかと感じました。

まとめ

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』は、キャッチーなタイトル、漫画も入っていてとてもわかりやすい内容ですが、同時に、孤独や不安、自分を大事にすることの意味を改めて考えさせてくれる一冊です。

自分を大切にし、執着を手放す視点を持つことで、心が少し軽くなる感覚を得られるかもしれません。

こうした気づきが、日常の中での生きやすさや大切な人との関係を深める手助けになると感じました。

シンプルで優しいことばが、優しいイラストが、ふとしたときに心に響く。
そんな本だと思います。

評者プロフィール

メンタル本大賞 選考委員:一條仁さん(社会福祉士)
一條仁(いちじょう・ひとし)
福島県出身。2015年福島大学卒業、2017年同大学院中退。在学中は震災復興支援活動に尽力。福祉系NPOでボランティアをしたことをきっかけに、障がい者就労支援事業所に就職。海外研修で豪・シドニーに滞在し、オーストラリア福祉を学ぶ。帰国後、福祉ベンチャー企業に転職。「支援者支援」に着目し、福祉人財の育成・採用業務等に関わる。現在はIT企業にて障がい者雇用専門人事として従事。複業として、善意の循環をカタチにした「ペイフォワードカフェ」の開催や教育機関等での講演活動を行う。「思いやりを広げる人を増やす」を自身のミッションとして実践を重ねている。

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