【メンタル本大賞2021】の協賛企業、株式会社ブックダムの菊池大幹さん(代表取締役)のインタビューを<4日連続>でお届けします!
出典:PRTIMES(株式会社ブックダム 2021年7月14日 16時05分)
【PART3】暗黒時代に射した一筋の光
運命の上司、津嶋さんとの出会いを果たし、4年間の「暗黒時代」を抜け出した菊池さん。
2社目の広告代理店事業の仕事に転職するまでの3年間は、それまでの低評価が一変。思う存分、好きな仕事を好きなように取り組める環境、境遇を手に入れることができたそうです。
その3年間に、後にブックダムのメッセージとも言える「書店の可能性を信じる」という信念につながる、書店さん(2店舗)との貴重な出会いがありました。
弘栄堂書店 岡山店(岡山県岡山市)※閉店
2013年1月に閉店に追い込まれたこの書店は、菊池さんにとって「天からのギフトだと思いました」と言わしめる、まさに”人生を変えてくれた書店”だったそうです。
この閉店日に菊池さんは、休みの日だったにも関わらず、当時住んでいた埼玉から自腹を切ってご挨拶に駆けつけたと懐かしそうに語ってくれました。
菊池さん:
私に与えてくれたものに比べたら、数万円の交通費なんて安いものです。
『料理のきほん練習帳』(小田真規子 著、高橋書店、2012年5月発売)という料理書をこの書店さんで仕掛けたことが一番の思い出です。
このお店で火が付くと、「この店だけで終わらせないぞ」と部署のメンバー全員が奮起し、中国・四国エリア全体にブームが波及しました。最終的には全国的なヒットとなり、シリーズ累計50万部超のベストセラーとなりました。
広告などのパブリシティも一切無い中で、まさに「現場発のベストセラー」だったと思います。
書店員さんの協力、商品の力、そして実際に手に取っていただいた読者の方なくしては起きえなかった奇跡。
人生観、仕事観の原点でもあり、人生が劇的に好転した、まさに天からの贈り物と呼べる経験でした。
ウィー東城店(広島県庄原市)
初めてこの書店に足を運んだとき、「書店の可能性」を目の当たりにしたと語ってくれた菊池さん。
「書店の可能性」という意味では、非常に興味深い展開をしている書店。数々のメディアに取り上げられていますのでご紹介します。
(関連記事①)「山あいの書店は人口8000人の田舎町を支えるAmazonだった」 ウィー東城店@広島(2020年10月16日 08:00 ライツ社)
(参考記事②)地域を立て直す書店の役割-広島県庄原市東城町「ウィー東城店」(2020.03.18 nippon.com)
菊池さん:
店長の佐藤友則さんとの出逢いも、私の人生に大きな影響を与えてくれました。
私の実家は栃木の田舎で、古くから自営業(衣料品店)を営んでいました。しかし、時代の波には勝てずに、シャッターを閉じました。
幼い頃からその環境下で育ったせいかもしれません。
同じような地方で、これだけ「書店」が地域の方々に必要とされ、愛されている事実に、心を揺さぶられました。
ウィー東城店との出会いは、出版社を退職する7年目のことでした。
出版業界を離れて転職しようと決意できたのも、佐藤さんとの出逢いを経て、気持ちの整理がついたからだったように思います。
そして、2社目の広告代理店事業の仕事に就いてから3年が経ち、お世話になった元上司の津嶋さんの誘いを受けて、再び出版業界の仕事(3社目)に戻りました。
この時も散々悩みましたが、ウィー東城店の存在が心に焼き付いていたから、再チャレンジに踏み切れたとも感じています。
わたしにとっては「灯台」のような存在の書店です。
PART4 につづく
|1|2|3|4|