著者・翻訳者メッセージ

【PART2】著者インタビュー(平光源さま/精神科医)

「#あな生き」の著者であり、メンタル本大賞の選考委員を務めていただいている、平光源さん(精神科医)のインタビューを8日連続でお届けします!

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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【PART2】平光源さんインタビュー

罪悪感が招く不幸なエピソード

― 先ほど光源さんも「罪悪感に負けそうになる」という話をされていました。「#あな生き」に出てくる、双子の兄弟のお母さんのたとえ話はとても衝撃的でした。

主人公は、3歳の双子の兄弟を育てるシングルマザー。

3人でピクニックに出かけたある日のこと。
レジャーシートを広げてくつろいでいたところ、母親はついうたた寝をしてしまいました。

ふと気づくと、50メートル先は崖になっていて、2人の子どもが転落しそうになっています。
母親は慌てて駆け寄ったものの、2本の手で2人とも助けようとしたら、3人全員が転落してしまいそうです。

母親は何とか1本の手を伸ばして、先に弟を助け出します。
しかし、兄はほどなくして、母親の目の前で転落。
命を落としてしまいました。

「私がピクニックに連れて行かなければ……」
「うたた寝なんてしなければ……」

<罪悪感>に苦しめられた母親は、不眠のまま水も食事も喉を通らず、ただただ泣き暮らすだけの日々を送り続けます。

7日目のこと。
はっと後ろを振り返ると、そこには水も食事も与えられず、衰弱死した弟が横たわっていました。

出典:『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』(平光源 著/サンマーク出版)をもとにメンタル本大賞実行委員会が要約

私も嫌というほど味わいましたが、<罪悪感>は自分だけでなく、自分以外の大切な人をも不幸にしてしまうので、100%捨てるのは難しくても、減らしたほうがいい感情です。

「責めるエネルギー」が相手に向かっていくのが「怒り」、そのまま自分に向かってしまうものが<罪悪感>だと思うんです。
これって、質量保存の法則(※)のように一旦生まれてしまうと、そのエネルギーは自分と相手とを行ったり来たりしてしまうものなんです。

自分を責めて責めて余裕がない時に、その苦しさも知らないで楽しく笑っている人を見かけると、怒りの感情を抱いてしまい、そんな自分にさらに<罪悪感>を感じてしまうとか……。

結局、エネルギーの方向性が自分に向いているか、相手に向いているかの違いだけで、同じものだと思うんですよ。

※質量保存の法則:「化学反応の前と後で物質の総質量は変化しない」とする化学の法則のこと(出典:Wikipedia)

― 罪悪感と質量保存の法則を絡めるのは面白い発想ですね。

<罪悪感>は、最終的には社会や他者に対する怒りの発生につながってしまうんです。

当然新たな<罪悪感>を発生させるので、その無限ループをふせぐためにも、そういう余計な感情を捨てることには、本気で向き合うことが大事だと思います。

― なかなか罪悪感を捨てられない場合はどうしたらいいのでしょう?

私の中には「ホワイト光源先生」と「ブラック光源先生」の両方がいて……。
ブラックの方は少し厳しいんですよ。

不快にさせてしまったら申し訳ないので、先に謝っておきます。
本当にごめんなさい(笑)

― (笑)ブラック光源先生はどういうアドバイスをされるんですか?

患者さんに「どうしても私、罪悪感を感じてしまうんです」と相談されたら、

「厳しい言い方で申し訳ないけれど、本気で罪悪感が悪いと思っていないから、そういう風に言えるんですよ」

と言って……

PART3 につづく
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