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【PART3】著者インタビュー(平光源さま/精神科医)

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「#あな生き」の著者であり、メンタル本大賞の選考委員を務めていただいている、平光源さん(精神科医)のインタビューを8日連続でお届けします!

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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【PART3】平光源さんインタビュー

罪悪感を捨てるための考えかたのコツ①

― なかなか罪悪感を捨てられない方に、ブラック光源先生はどういうアドバイスをされるんですか?

患者さんに「どうしても私、罪悪感を感じてしまうんです」と相談されたら、

「厳しい言い方で申し訳ないけれど、本気で罪悪感が悪いと思っていないから、そういう風に言えるんですよ」

と言って、こういう話をします。

僕が白衣のポケットから1000円札を落として、気づかなかったとします。
あなたは、それを黙って拾って、盗んだりはしませんよね?

それは”盗むことは悪いこと”と思っているからですよね?

でも、先生に何度もアドバイスされるけど、「私、つい、罪悪感を感じてしまうんです」って平気で言ってしまう。

それは、罪悪感を感じることを心のどこかでいいと思っているから。

本気で悪いと思うのなら、「私、よく罪悪感を感じてしまうんです」という言葉を、「私、よく人のお金を盗んでしまうんです」と言ってるのと同じぐらいに思ってください!
それくらい悪いことなんだという自覚をもって、罪悪感を捨ててください!

罪悪感は治療を長引かせる一番の原因です。

大げさに言えば、別に1万円だろうと、10万円だろうと盗んでもらって構わないから、罪悪感をなくしてもらう方が僕にとってはよっぽどありがたい。

あなたの人や家族を思う「愛」から罪悪感を感じているのは痛いほどわかる。

でも、そのせいで、何年も友人が家族が、治療する医師が、なにより本人がボロボロになりながら苦しんでいる。

だとしたら、人のお金を盗むことなんかより、罪悪感を感じることの方がずっと悪いことなんです。

本当に苦しいけれど、罪悪感を減らすための覚悟を持ってください。

― 効きそうですね!もしこう言われたら「自分のことを真剣に考えてくれている先生だな」と思います。

罪悪感を捨てるための考えかたのコツ②

― 「#あな生き」には、東日本大震災で光源さんの患者さんやその家族の方がたくさん亡くなられたと書かれていました。別の話ですが、たとえば大切な人が自殺してしまって、残された人が罪悪感を感じて苦しんでいるような場合には、どのような言葉をかけてあげるのですか?

家族や友達の立場で考えるのはとても難しいのですが、相手との信頼関係ができている前提で医者の立場としてであれば、「罪悪感に逃げない」という話をします。

逆の立場、自分が自殺してしまった側の立場になって考えてみて欲しいんです。

自分が命を落としたことで、残された大切な人がずっと罪悪感に苦しみ続けているとしたら、それはとてもつらいことだと思うんです。

本当は安らかにいられるはずなのに、「天国に行くのは申し訳ない」と逆に罪悪感を感じてしまうかもしれない。

本当に亡くなった人のことを考えるのだとしたら、残された人はちゃんと罪悪感を断ち切って、亡くなった人が安心して天国に行けるようにしてあげるのが、いいのではないかと思います。

「私がちゃんとしていれば」「私が悪い」という罪悪感に浸り続けることって、罪を償うように自分が不幸になることで、本当の罪の意識から解放されるので、精神的には実は楽をしている、言い換えれば逃げていることになります。

亡くなった人はあなたに対して「一刻も早く自分の人生を歩んで欲しい」と思っているかもしれませんよ。

このままでは天国に行けずに、あなたのせいで浮遊霊になっちゃうかもしれませんよ!

罪悪感を感じないでニコニコ笑顔で前に進むのは、罪悪感を感じるよりもとっても難しい。

だからこそ、罪悪感という簡単な方向に逃げないで、亡くなった人のためにも、罪悪感を捨て、幸せになる挑戦をしてほしい。

こんな言葉をかけると思います。

― 「罪悪感に逃げない」は非常に厳しい言葉ですが、はっきり言ってくださったほうが救われるのかもしれませんね。

担当患者さんが自ら命を絶ったりなど、私も本当に多くの罪悪感を抱えて生きてきたので、自分自身にも言い聞かせるように話をしています。

本当に難しい話ですが、相手のことを考えて真剣に話をすれば、必ず真意は伝わると思います。

PART4 につづく
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