選考委員一覧

【寺田真理子さま/日本読書療法学会会長】選考委員プロフィール・メッセージ

「メンタル本大賞」の趣旨にご賛同いただき、受賞作品の審査に携わって頂く方のプロフィールをご紹介します。

寺田真理子さまにご寄稿いただいた書評一覧

選考委員プロフィール

寺田真理子(てらだ・まりこ) 
長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在し、ゲリラによる日本人学校脅迫や自宅の狙撃を経験。東京大学法学部卒業。多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演・執筆・翻訳活動。読書によってうつから回復した経験を体系化して日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。また、うつの体験を通して共感した認知症について、パーソンセンタードケアの普及に力を入れている。著書、訳書多数。日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。

おもな著書
『心と体がラクになる読書セラピー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『古典の効能』(雷鳥社)

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日本読書療法学会
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<PR>選考委員告知

【自著紹介】

読書は仕事や勉強のためのもの、あるいは娯楽としか思われていないかもしれません。けれども本には心を癒す大きな力があり、その効果は古代ギリシャの時代から認識されていました。図書館の入り口に「魂の癒しの場所」と記されていたほどです。

現在では、「読書によって問題が解決されたり、なんらかの癒しが得られたりすること」を意味する「読書セラピー」として世界中で活用されています。イギリスでは国として本を処方する取り組みがありますし、イスラエルでは読書セラピストが国家資格になっています。日々の悩みごとにだけでなく、認知症やうつ病、腰痛治療など、幅広く活用されているのです。

私自身も、読書セラピーのおかげで、うつから回復することができました。そんな読書セラピーをセルフケアとして日常生活で活用するための一冊です。本の選び方、読み方からシチュエーション別のブックガイドもご紹介しています。

心と体がラクになる読書セラピー
寺田真理子 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2021年4月発売

【プレスリリース】
読書でうつが回復⁈イギリス政府も公認する新しい読書のかたち、「読書セラピー」とは?(株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン/2021年4月20日 08時00分)

選考委員メッセージ

私も長年、うつに苦しんでいました。幼稚園が海外だったため、日本語も話せず、生活習慣もわからない状態で小学校生活を始め、いじめを経験しました。ようやく日本の生活になじんだところで、ふたたび海外へ。今度は自宅を狙撃されるような治安の悪さで、「どうして自分ばかりこんな目に遭うんだろう」という思いをずっと抱えていました。不安定な精神状態を抱えながらも、社会人となってからは通訳として多数の外資系企業で勤務しましたが、業務の苛酷さもあり、とうとう起き上がれない状態になってしまいました。

そんなどん底の状態から回復できたきっかけは、本でした。多くの本に助けられ、励まされ、自分らしく生きられるように変わっていったのです。

症状が重いときはなかなか活字を追えないものです。そこでまずは文字数の少ないものやイラストを主体としたものから、自分の状態に合わせて読み進めていくことで、本は心強いサポーターになってくれます。

だけど何から手に取ればいいかわからないという方も多いことでしょう。そんなときのガイドラインとして、メンタル本大賞の情報発信が、今苦しんでおられる方の回復の一助となることを願っています。

推薦作品

推薦作品①『ぼくのなかの黒い犬』

ぼくのなかの黒い犬
マシュー・ジョンストン 著/岡本由香子 訳
メディア総合研究所
2009年11月発売

評価コメント

うつを「黒い犬」として描いた絵本です。以前は好きだったことが急につまらなく思えたり、うしろむきな言葉ばかりが口から出てきたり……。日常がどんどん黒い犬に侵食されていく様子が描かれています。

うつのときは、自分の感じていることをうまく表現できなかったり、誰にも理解してもらえないと思ったりします。だけど、この絵本では黒い犬の姿を借りることで、それを巧みに視覚に訴えかけてくれています。「そう、まさにこんな感じなんだ」と自分に重ね合わせることができるので、わかってもらえたという安心感を持つことができるでしょう。「この症状は他の人たちにも共通するものなんだ、自分だけじゃないんだ」と思わせてくれます。

さらには、手に負えないほど大きくなってしまった黒い犬を、どうやって飼いならしていくかも描かれているので、回復への一歩を踏み出せるように寄り添ってくれると思います。

自分の今の症状を周囲に理解してもらう手助けにもなってくれる絵本です。

推薦作品②『だいじょうぶ だいじょうぶ』

だいじょうぶ だいじょうぶ
いとうひろし 著
講談社
1995年10月発売

評価コメント

主人公の男の子は、おじいちゃんと散歩をするのが大好きで、歩くたびに自分の世界が広がっていくように感じます。けれども、世の中には怖いことがたくさんあるらしいともわかってきます。このまま大きくなれそうにないと思ってしまうときもありますが、そんなときには必ず、おじいちゃんが「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言って助けてくれるのです。

うつがひどかったときに、支えになってくれた絵本です。当時はよく、過呼吸を起こしていました。たとえば悲惨な事件のニュースを目にすると、それがきっかけでひどい過呼吸を起こしてしまうのです。とても苦しく、怖かったのですが、この絵本を読んでからはそんなときに「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と自分に言い聞かせるようになりました。おかげで気持ちを落ち着かせることができるようになったのです。

思えば、うつのときはネガティブな言葉ばかり口にして、何かあると「もうだめだ」という具合でしたが、言葉を変えることで自分を整える効果や、言葉の持つ力も教えてもらいました。穏やかな絵柄に心和むとともに、おじいちゃんと男の子の温かな人間関係を自分の心の中に持つことができたように感じます。

推薦作品③『大河の一滴』

大河の一滴(幻冬舎文庫)
五木寛之 著
幻冬舎
1999年3月発売

評価コメント

心が沈み込んでいるときに、届く言葉は限られます。安易な慰めや、今の自分の精神状態を経験したこともないような相手からの言葉が、届くことはありません。届くのは、同じように深く、深く沈んだことがある人の言葉だけなのです。

うつからの回復過程で読み漁っていた五木寛之さんの著作の中でも、この本は人生観や物事の受け止め方を教えてくれました。「マイナス思考の極限」こそが「本当のプラス思考」の出発点であること。悪いことのように思われがちな「あきらめる」の語源は「あきらかにきわめる」ことであり、自分にはできないことや、どうにもならないことがあるのだと認めて、それを受け入れることで先に進めること……。

普通に働くこともできなくなった自分には価値がないと自己嫌悪に陥っていた頃、生きているというただそれだけのことに人間の値打ちがあると、この本が伝えてくれました。

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相談できるところはたくさんあります。
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