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【書評】『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Twitterなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信しているきょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 エントリー作品

もしあと1年で人生が終わるとしたら?
小澤竹俊 著
アスコム
2021年3月発売

書評

あなたは自分を笑顔にしてくれるもの、自分を支えてくれるもの、つまり「自分にとって本当に大切なもの」が何か気づけていますか?

今回は、『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』の書評をしたいと思います。

私はこれまで自分の人生の最後について大きく考えたことはなかったのですが、インパクトのある本書のタイトルが気になり、手に取って読み込んだ時、心から出会えてよかったと思いました。

著者である小澤竹俊先生は、25年間、人生の最終段階の医療に携わり、3500名を超える患者さんたちをお見送りされてきたそうです。
著者の体験談と深い想いから書かれた本書籍から、後悔の無い幸せな人生を生きていくうえで大切なことを学ぶことができました。

私が本書から学んだことは、以下の2つです。

1.人生の意味について考える事ができた

創薬研究者として働く中で、私は「誰かの命の支えになる事や役に立つこと」が意味のある人生なのだと思っていました。
ですが、普段はお医者様のように直接患者さんと関わることはなく、本当に自分が役に立てているのかに疑問を持つ日が多かったです。

本書には、「この世に生きている人は何らかのミッションをもっており、生きているだけでそのミッションを果たしている」ということが書かれていました。
さらに、「それは誰の目にも明らかなものもあれば、分かりにくいものだってある」という言葉もありました。

この言葉から、たとえ無力でも弱い存在でも「生きているだけで価値がある」ということを実感しました。

誰かの役に立つから自分に価値があるのではなく、生きていること自体がなにかの役に立っている。
だからこそ、誰かと比較することなく「生きる」という自分のミッションを全うしていきたいと思えるようになりました。

2.自分らしい働き方について考えることができた

4年間治験の仕事をする中で、様々なプレッシャーがありました。

業務量がパンクしても「他の人も忙しいから迷惑をかけられない」という思いや、「会社の信頼に関わるから、失敗してはいけない」という思いがずっと頭の中を駆け巡ってました。
まさに、人の目を気にする働き方です。

ですが、本書を読むうちに「自分らしい働き方や生き方」について考える事ができました。
そして、「やるべきことが出来ない自分でさえ受け入れること」を大事にするようになりました。

自分でやらないと...と思っていることの中にも、人に任せられるものは必ずあります。

過剰に人の目を気にしたり、我慢や遠慮をしすぎて自由を感じられなくするのではなく、日常の小さな選択の仕方を変えて少しずつ自分のための時間を増やすことに意識を向けられるようになりました。

今日は何を食べたいか、どんな本を読みたいか。
日常の中の「自分がどうしたいか」を選択する習慣を大事にしています。

最後に

本書を読んだとき、私自身がメンタルケアについて興味を抱くきっかけになった“がん患者様のお話”を思い出しました。

死を本気で意識した人だからこそ伝えられる思いは、命の大切さを教えてくれると改めて実感しました。

幸せな人生のTipsが得られる『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』。
興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

評者プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Twitterでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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