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【書評】『「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ』(評者:平光源/精神科医)

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メンタル本大賞2021【選考委員MVP賞】に輝いた平光源さま(精神科医)より書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 ノミネート作品

「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ
河出書房新社 編
河出書房新社
2020年11月発売

書評

平光源の書評シリーズ。
今回は『「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ』(河出書房新社)です。

いつもは良いところを3つに分けて解説しますが、今回は感情をとても揺さぶられたので、気持ちの赴くままに感想を書いてみたいと思います。

この本は辛い気持ちにそっと寄り添うために、25人の方から様々なメッセージをもらう形で本が成り立っています。

アイドルだったり作家だったり精神科の先生だったりと、様々な職業の方が「死にたい」ということに対してのテーマで文章を綴ってくれていて内容もさまざまで、人によって言っている内容が違っていることもありました。

ただ1つ共通しているのは、「死にたい」と言う思いを決して否定していないこと。

そこにはしたり顔で、「死んではダメだ」と否定する人も、「あなたが辛いのなら私の愛で助けたい」と偽善者もいませんでした。

みんな心のどこかで、「死にたい」と思ってしまうぐらい行きづらい世の中が存在すること。
そしてその中で、なんとかその思いを抱えながらなんとか生きている人が、少なくとも25人はいることがわかります。

また、人の好みは千差万別ですし、その日の気分や精神状態によって同じ人でも刺さり方が違うはず。
25色の色鉛筆があれば、どれかお気に入りの1本が見つかるのかもしれません。

死への気持ちを否定せず、優しくゆっくりと今この瞬間にそっと隣にいてくれる。
そんな、優しい優しい本でとっても感動いたしました。

書いていただいた25名の先生、素晴らしい作品をありがとうございました。

評者プロフィール

2022 優秀賞・2021 選考委員MVP賞
平光源(たいら・こうげん)

東北地方でクリニックを開業している開業医。
高校時代、自分の不登校によって医学部受験に失敗。
3年浪人してうつになり、ある本がきっかけでうつから回復した経験をふまえて、約20年精神科医として心のケアに当たる。
支援学校学校医、老健施設往診医、いのちの電話相談医、傾聴の会顧問など、その活動は多岐にわたる。
精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医。

メンタル本大賞2022 ノミネート作品

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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