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【書評】『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』(評者:平光源/精神科医)

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2022 優秀賞受賞、2021 選考委員MVP賞に輝いた平光源さま(精神科医)より書評をお届けします!

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』加藤俊徳 著(WAVE出版) こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法
加藤俊徳 著
WAVE出版
2021年7月発売

書評

今回は、加藤俊徳先生の『こころのもやもやを脳のせいにしてラクになる方法』(WAVE出版)についての書評を書かせていただきます。

加藤先生は、脳内科医の先生で私と同じくクリニック院長をされていて、日々の忙しい診療の中でも、多数の本を出版され、著者累計150万部以上の大ベストセラー作家です。
それだけでも先生の理論が支持され実証されていることが分かります。

あなたの生き辛さは弱い「こころ」のせいではない

その加藤先生の本のポイントはなんといっても「脳番地理論」。
私たちの多くは、「不安で何もできない私はダメな性格だ」とか、「やる気が出ない自分は情けない」なと、自分の行動を、「性格」や「やる気」などの「こころ」のせいにして、ますます罪悪感という「ネガティブなこころ」に囚われて沈んでいきます。

でも加藤先生は、「こころの悩みは脳の現象に置き換えられる」、「こういう性格だから仕方ない」とあきらめ罪悪感を感じる必要はなく、ただ、その現象が起こる脳の番地を特定して、その対策をとればいいだけ」と笑い飛ばしてくれます。

これこそ本当に「目からウロコ体験」。
あなたの生き辛さはあなたの弱い「こころ」のせいではなく、骨折すると歩けない足のように、「脳のせい」。
その脳の「悩み癖」を突き止めて、添え木を当てるようにただ対策するだけであることが本当に腑に落とすことが出来れば、あとはただ、弱い部分(悩み癖)を腹筋のようにエクササイズするだけです。

「脳番地チェックシート」で自分の脳の弱いところがわかる

具体的な内容は本書を是非読んでほしいのですが、8つの脳番地の脳のイラスト(27ページ)とそこから始まる「伝達系脳番地」「理解系脳番地」など8つの「脳番地チェックシート」(34~35ページ)では最新の脳科学に裏打ちされた脳の特性が分り易く記載・分類されていました。
そこには、医師がみても「なるほどこう(患者さんに)伝えればいいのか!」と思わず膝を打つ記述が満載でした。

一例をあげると、「理解系脳番地」のトレーニング法(42ページ)としては、「絵を見てタイトルを考える」「以前読んだ本をもう一度読む」「片付け、断捨離をする」などそのトレーニング方法が具体的に記載されているので、自分がどうトレーニングをしたらいいのかが一目瞭然です。
とくに発達障害の方が、人とうまくやっていくときに何をしたらいいか途方に暮れているとしたら、きっと本書が福音になると確信しています。
この本が、たくさんの人にひろまっていけば、世界中の「こころ」の悩みが半減するかもしれません。
そんな大きな可能性を秘めたすごい本でした。

加藤先生、素晴らしい本を書いていただきありがとうございました。

評者プロフィール

2022 優秀賞・2021 選考委員MVP賞
平光源(たいら・こうげん)

東北地方でクリニックを開業している開業医。
高校時代、自分の不登校によって医学部受験に失敗。
3年浪人してうつになり、ある本がきっかけでうつから回復した経験をふまえて、約20年精神科医として心のケアに当たる。
支援学校学校医、老健施設往診医、いのちの電話相談医、傾聴の会顧問など、その活動は多岐にわたる。
精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医。

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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