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【書評】『セルフケアの道具箱』(評者:佐々木戸桃/文筆家・セラピスト)

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セラピストとして、自分と同じHSP気質の医療・介護従事者クライアントのケアをしながら、文筆活動をされている佐々木戸桃さまより書評をお届けします!

メンタル本大賞®2022 ノミネート作品

セルフケアの道具箱
伊藤絵美 著/細川貂々 イラスト
晶文社
2020年7月発売

書評

自身がセラピスト活動を始める以前ー15年以上前になりますが、仕事場の近くに精神医学・心理学専門書を多く扱う書店がありました。

そこで医学書・医学誌を見るのが月数回の楽しみで『お店に入ったら必ず一冊のみ購入する(大切に読むため買い過ぎない)』というマイルールを作っていたのですが、その中で一冊だけ、忘れ得ぬ苦い思い出があります。

以前は読了できなかったのに……

当時は「認知行動療法(※以下CBT)」が臨床現場でも浸透し始めており、さきがけでいらっしゃる伊藤絵美先生のCBT初級者向け著書を手にしたものの、何度トライしても読了できず、挫折。
それ以降、CBTは時間がかかる・なかなか効果を実感しにくい、という身勝手な囚われを抱いたまま、時を経てこちらの伊藤先生の作品を拝読しました。

すると、“今の自分だから響き、受け取れるものがある”とページをめくりながらわくわくが止まらず、ここは難しいかも?と感じる部分においても、まるで伊藤先生からじかに

「やってみてね!だいじょうぶだから」

と優しく寄り添ってもらっている気持ちに。

ストレスの外在化(書き出す)のワークにおいては、読者によっては辛いのでは?という思いが本音ではありましたが、そこも「徹底してここで出して自分の傾向を知っておくと、これからがぐんとらくだから、とにかくやって!」とほんのり厳しくも、愛をもってうんと温かく応援してくれる流れがあります。

また、第10章で詳細に解説されている【内なる子どものケア】は特に大切、とわたしは感じるのですが、伊藤先生は『インナーチャイルドのあり方~アクセス方法~ケア』を、誰しもが分かり易いように惜しみなく教えて下さっているのも大変有難く、共感を覚えました。

ページをめくりつつ、セラピストであることはすっかり忘れ一読者として

「あ~、これ、わたしもやってる!」
「お、これも加えてみようかな?」

と、それこそ子どものように歓喜したものです。

しんどい・辛い環境にいらっしゃる方は勿論ですが、わたしは、こころに向き合う事を専門とするかたこそ日々のセルフケアが最優先なのでは、と感じています。
そして、今後自身のケアをする中で、この本を日常の味方としてきっと何度も読み返し、実践し続けることでしょう。

評者プロフィール


佐々木戸桃(ささき・ともも)
東京都出身。大学時代、学内文芸誌主宰を機に、自身の詩集(既に絶版)を出版。卒業後、広告代理店に入社し、クリエイティブ部門で製薬会社、文具メーカー等の販促ツール制作に携わる。徐々に組織内での振る舞いに疲れ3年後に退職、以降ライターとして独立。実用誌・ムック・書籍の取材執筆編集業務をする内に、関わる人々から公私問わず相談を受け続けていると気づき、独自のセラピー・カウンセリングスタイルを見出して本格的に活動開始。現在は、主に自身と同じHSP気質の医療・介護従事者クライアントのケアに注力しつつ、文筆活動もゆるりと継続中。

おもな著書
『ユニクロ★デコ・リメイク』佐々木戸桃、五十嵐友美 著(雷鳥社)
『NHKサラメシ あの人が愛した昼めしの店』NHK「サラメシ」制作班 編(主婦と生活社) ※編集協力

他、実用誌・ムック約200冊に、取材、編集協力クレジットあり。

公式サイト・SNS
Twitterアカウント(@tomomo_journal)

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