「メンタル本大賞」の趣旨にご賛同いただき、受賞作品の審査に携わって頂く方のプロフィールをご紹介します。
選考委員プロフィール
一條仁(いちじょう・ひとし)
福島県出身。2015年福島大学卒業、2017年同大学院中退。在学中は震災復興支援活動に尽力。福祉系NPOでボランティアをしたことをきっかけに、障がい者就労支援事業所に就職。海外研修で豪・シドニーに滞在し、オーストラリア福祉を学ぶ。帰国後、福祉ベンチャー企業に転職。「支援者支援」に着目し、福祉人財の育成・採用業務等に関わる。現在はIT企業にて障がい者雇用専門人事として従事。複業として、善意の循環をカタチにした「ペイフォワードカフェ」の開催や教育機関等での講演活動を行う。「思いやりを広げる人を増やす」を自身のミッションとして実践を重ねている。
公式サイト・SNS
Twitterアカウント(@fukushima_swlab)
ふくしまソーシャルワークラボ
<PR>選考委員告知
たとえば、あなたが見知らぬ誰かにほんの少し親切にしてもらえたら、その日はなんだかハッピーな気分になりませんか?
私は、恩送りの仕組みをカタチにしたペイフォワードカフェという取り組みを行なっています。
コンセプトは「ほんのちょっと 誰かをおもう キモチつながり 巡る場所」です。
このカフェでは、あなたが飲むコーヒーのお代を支払う必要はありません。
なぜなら、それは見知らぬ誰かからのギフトだから。
このカフェを訪れると、前のお客さまからの「ほんの少しの親切」を受け取ることができます。
必ずしもカタチとしてでなくても、あなたが次に想いをつなぐことで、まだ見ぬ誰かとつながっていくことができます。
「ほんのちょっと」がつながっていけば、きっとこのカフェはまたどこかで開かれる。
そんな想いが巡り巡って、誰にとってもやさしいまちになったらいいなと考えています。
よかったら活動に関心を持っていただけると幸いです。
ペイフォワードカフェ公式HP
ペイフォワードカフェTwitter
選考委員メッセージ
私は、学生時代、追いかけていた夢を自分の意志で諦めた経験があります。
この時、深く、大きな挫折を味わいました。
無我夢中で追っていたためか、生きる目標を失った自分は、急なメンタル不調に陥りました。
約一年、ほとんど人とコミュニケーションを取らなくなりました。
家に出るのも買い物のみという時期もありました。
そんな中、読書は私の心を豊かにしてくれました。
あの頃蓄えた知識が、磨いた感性が、今の自分に活きていると感じます。
このページをご覧になっている方へ。
読書は、「著者との時空を超えた対話の機会」です。
ぜひ、気になる人の本を手に取ってみてほしい。
知識を得ることを目的にする読書も良いですが、読書そのものを目的とした読書は、心を豊かにします。
ぜひ、本を通してコミュニケーションをとってみませんか。
メンタル本大賞は、心やさしい人々によって運営されている取り組みなのだと感じます。
だからこそ、紹介本も、書評も、一貫してやさしさを感じさせてくれます。
メンタル本大賞のHPをゆっくりご覧になって、気になる一冊を見つけてみてください。
あなたの心が昨日よりほんの少しでも豊かになりますように。
推薦作品
推薦作品①『お金のいらない国』
お金のいらない国 長島龍人 著 ネットワーク地球村 2006年10月 |
評価コメント
お金がある国出身の主人公が、お金がない国で、自分が持っている「当たり前」を徐々に崩されていく…そんな物語です。
著者の価値観を存分に味わい尽くすことのできる本です。
「お金がない」というのは、本当に「ない」ことを指しています。
すなわち、お金という概念がない。
とある場面で、お金のない国の人住民は、主人公にこう言います。
「多分、そのお金というものを得ることが仕事の目的だと多くの人が思っているうちは、あなたの国の、本当の意味での進歩はないでしょうね。仕事の目的は世の中の役に立つことです。報酬ではありません。報酬を目的にしていると、必ずどこかに歪みが生じてきます。(中略)」
ここの会話、全てが目から鱗でした。
自分もお金のいらない国の国民のような精神性を持てるようになりたいなあと思うばかりです。
今の世の中に対し、生きづらさや疑問を抱く人にぜひ読んでほしい一冊です。
推薦作品②『世界は贈与でできている』
世界は贈与でできている―資本主義の「すきま」を埋める倫理学 近内悠太 著 ニューズピックス 2020年3月発売 |
評価コメント
人に与えること(ギブすること)について、哲学者が平易な表現で綴っている本です。
「贈与者は名乗ってはならない。」と本書は解きます。
以下のように続きます。
「名乗ってしまったら、お返しがきてしまいます。贈与はそれが贈与だと知られない場合に限り、正しく贈与となります。」
純粋なギバーは、与えたことに気づかせません。
たまたま、相手が気づいた時こそ、贈与となるわけです。
そう思うと、自分の人生もさまざまな人に与えられて今があるなあと思うわけです。
与えられて今がある。
読後、純粋に周りの人に感謝できるようになる本です。
推薦作品③『セルフケアの道具箱』
セルフケアの道具箱 伊藤絵美 著/細川貂々 イラスト 晶文社 2020年7月発売 |
評価コメント
セルフケアについて、具体的な方法を学ぶことができる本です。
とても平易な文章で書かれている上、なぜその実践が良いのか、説明してくれているので、実践しようという気になれます。
ページ構成も大変考えられており、メンタル不調で集中力の続かない人にとっても、ストレスなく読み進めることができるように思います。
筆者の思いやりがこれでもかというくらい伝わる実践本です、ぜひ手に取ってみてください。