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【書評】『「頑張る」をやめてみる』(評者:實山美穂/元書店員)

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閉店前の文信堂書店 長岡店で文芸書・ビジネス書を担当。現在、小学館の小説ポータルサイト「小説丸」にもコラムを寄稿されている 實山美穂さま(元書店員) より書評をお届けします。

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

『「頑張る」をやめてみる』根本裕幸 著(リベラル社) 「頑張る」をやめてみる
根本裕幸 著
リベラル社
2022年5月発売

書評

著者が「抱え込み症候群」と名付けたのは、一人で何でも抱え込んでしまう癖のことです。

でも、人から見ればいろいろ抱え込んでしまっている状況なのに、「頑張っている」と自分では言いたくない人もいるかもしれません。

さらに、その状況をツラいとは感じていない人もいるかもしれません。
一方で、もうすでにストレスを感じ始めている人もいるかもしれません。

そのように考えると、その「抱え込み症候群」に該当する人が多いのではないかと思いました。

この本は、本体価格が680円というお手頃価格な文庫なので、小さくて手に取りやすいです。
それなのに、内容は充実していて、お得に感じました。

まずは、チェックリスト(26ページ)で自分の抱え込みタイプを判断してみます。
私は、敏感タイプでした。

長子なのに(だから?)マイペースすぎるので、しっかり者タイプに当てはまらず、自己肯定感云々も当てはまらない気がするので、納得です。

タイプ分けがおおよそ分かったら、問題をいろいろ抱え込んでしまう理由と、その状況からの脱出方法です。問題解決に役立つイメージワークも紹介されています。

最後に、抱え込んでしまう自分を受け入れ、抱え込みを解消していきましょう。

買い物に行ったら、店員さんに質問してみる(私の苦手なことです…)とか、人に何か頼むのなら小さなことからやってみるとか。

普段の生活ですぐに取り入れられることがたくさんありましたので、この本は、ストレスで爆発してしまう(もしくはやる気がなくなる)前に読むことをおすすめします。
自分を振り返るきっかけにもなるのではないでしょうか。

ストレスのない毎日は無理でも、上手に付き合っていける方法を見つけていきたいです。

評者プロフィール


實山美穂(じつやま・みほ)
大学で心理学などを専攻し、卒業後、文信堂書店に入社。文芸書・ビジネス書他担当。文芸書担当を機に本屋大賞エントリー店となり、新書担当を機に新書大賞の投票に参加し、興味の赴くまま御書印プロジェクトにも参加。基本、本を読んで猫と遊んでいれば満足。2023年4月10日をもって、文信堂書店長岡店がCoCoLo長岡より撤退。それにあわせて文信堂書店を退社し、今に至る。小説丸の、書店員さんのコラムに参加。

公式サイト・SNS
小説丸|週末は書店へ行こう!目利き書店員のブックガイド(vol.98)
note|御書印プロジェクト(公式)

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