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【書評】『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』(評者:川本義巳/公認心理師&メンタルコーチ)

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メンタル本大賞®創設の2021年より選考委員としてご協力いただき、2022年はノミネート著者として<特別賞(著者MVP賞)>に輝いた 川本義巳さま(公認心理師&メンタルコーチ)より書評をお届けします!

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』高井祐子 著(大和出版) 「自分の感情」の整えかた・切り替えかた
高井祐子 著
大和出版
2022年5月発売

書評

今回ご紹介する本は高井裕子さんがお書きになられた『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』です。

高井さんは公認心理師で臨床心理士。
カウンセリングの実績も豊富な方で、認知行動療法をメインに使われています。

この本を最初に手に取ったときに思ったことが二つありました。

ひとつは「よくある〔考え方を変える方法系〕かな?」ということと、もうひとつは帯にか書かれていた「生活臨床」って何?ということでした。

読んでみてまず、「よくあるパターンじゃないな」ということがわかりました。

メンタル本では、「物の見方、考え方をこういう風に変えましょう」というものが割と多いのですが、それが結構概念的で、いざやろうと思っても難しいということがあります。

しかしこの本は、そういった物の見方、考え方を変えるという話もありますが、それを実際の生活の中でどのようにやっていくのか?というヒントが書かれています。
この部分が「生活臨床」なんですよね。

高井さんも前書きで「心の問題よりも生活の乱れが気になった」とおっしゃっています。
確かにこの二つの関連性は高そうです。

こうした「生活臨床」の観点から全部で85個の実践方法が紹介されています。
どれも簡単でとてもわかりやすいので、すぐにできると思います。

印象に残ったものを紹介すると、

WORK16 「大丈夫」に根拠なんかいらない

(中略)自分のことを大丈夫と思うためにも、目に見えないこれからの自分を信じてください。どんな困難な状況にあっても、きっと大丈夫、と自分に声をかけてあげましょうね。

出典:『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』高井祐子 著/大和出版(58-59ページ)

ほかには

「読心術で先読みしない」(WORK 26)
「視線を気にする自分に気づく」(WORK 27)
「誰も傷つけない『透明の膜』に包まれる」(WORK 31)

などタイトルだけでも気になるものがいくつも書かれています。

最初から読み進めなくても、自分にとって必要なところから読めるのもいいと思います。

ちなみに僕は「ちょっとずつ、少しずつ片付ける」(WORK 51)がヒットしました。
ついつい周りに振り回されてしまう人にはとてもオススメの一冊です。

評者プロフィール


メンタル本大賞2022 著者MVP賞
川本義巳(かわもと・よしみ)

三重県松阪市生まれ津市在住。
うつ専門メンタルコーチ/公認心理師/一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。それを機にうつ専門のプロコーチになることを決意。コーチング、NLP、アドラー心理学、エリクソン催眠を学び、それらを応用したメソッドを開発し、2010年個人コーチングを開始。自治体や上場企業でのメンタルヘルス研修講師や精神科クリニック、児童相談所、教育委員会での相談業務等でも経験を積み、10年間で1万件以上の相談、指導を行っている。

メンタル本大賞®2022 特別賞(著者MVP賞)『1日3分でうつをやめる。』川本義巳 著(扶桑社)
1日3分でうつをやめる。
川本義巳 著
扶桑社
2019年10月発売

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