2022年は著者として優秀賞に輝き、2023年以降は選考委員として参画。多数の書評を寄せて 2023選考委員MVP賞を獲得した 古山有則さま(メンタルトレーナー) の書評をお届けします。
セルフケアの道具箱 伊藤絵美 著/細川貂々 イラスト 晶文社 2020年7月発売 |
書評
“おわりに” に溢れる「人生最大のピンチ」で書いた著者の想い。
本書は、おわりに(295ページ)から読んでみるのをおすすめします。
というのも、おわりに “著者の本音の想い” が溢れているからです。
著者が本書を書いていたのは、人生最大のピンチが起こっていた時期だと書かれています。
忘れてはいけないのは、メンタルというものは専門家だから大丈夫、プロだから安心できるというものではないということです。
専門家だとしても、人生を生きていると、色々な壁にぶつかり、トラブルに遭うんです。
そこで、人間ですから、メンタルの不調を生じることはあるんです。
しかし、本書を通じて、その状態だった著者が、メンタルを回復していくために実践を繰り返し、書きながらメンタルを回復していったんです。
本書に書かれている内容は、ただの机上の空論ではありません。
今までカウンセラー歴30年で携わってきたクライアント、そして人生最大のピンチを救った生きた知恵です。
この記事を書いている僕はメンタルトレーナーをしています。
今後僕に、どんなピンチが起こったとしても、本書があればまたいい状態になれると確信を持てました。
また、内容にも触れておきますね。
実体験からお伝えすると、僕は自己肯定感が低く、周りの顔色を伺って生きていました。
過去を振り返ると、「すべてのことを0か100で考えてしまっていた」ことが原因だと思います。
このように考えてしまうと、頭の中はそれでいっぱいになってしまい、「何をどうしたらいいのか全くわからない」となっていました。
この記事を読んでいるあなたが、今後何をどうしていいのかわからないとしたら、本書をおすすめします。
本書には100の方法があり、かつ実践しやすいことも多いです。
当時の落ち込んでいる僕であれば、
- ティッシュちぎり、紙をハサミでチョキチョキ(51ページ)
- ちょっとした顔見知りを思い浮かべる(62ページ)
- SNSを活用する(74ページ)
- ヤバすぎるストレッサーからは全力で逃げる(91ページ)
- 安全を確保する(226ページ)
をまずは実践すると思います。
本書は、あなたを行動していくためのマップだと思ってください。
少しでも参考になれば嬉しいです。
評者プロフィール
メンタル本大賞®2022 優秀賞
メンタル本大賞®2024 選考委員MVP賞
古山有則(こやま・あきのり)
メンタルトレーナー
大学院修了後、相続専門税理士法人に勤め、その後独立。
燃え尽き症候群や円形脱毛症をきっかけに、書籍を1万冊以上読み漁る。
高校時代に野球の国民体育大会(国体)優勝で培ったメンタル強化メソッドを統合し、
「今が人生でいちばん楽しい」状態を常にアップデートできる独自のメントレを導き出す。
「あなたが今、どんな状況・どんな状態だったとしても価値がある」というメッセージを届けるのがミッション。
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
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