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【書評】『もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

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もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら
森下克也 著
CCCメディアハウス
2019年11月発売

書評

この本は、特に職場でのストレスや適応障害の症状に悩む人々に向けて書かれており、具体的な治療アプローチや周囲のサポート方法について詳しく述べています。

本書の重要なテーマは、ストレスに対する理解と自己管理です。
著者は、読者が自分自身の性格や考え方の癖を理解し、「心」と「からだ」を守る方法を学ぶことが重要であると教えてくれます。
特に、適応障害にかかりやすい人々やその症状についても詳しく解説されており、ストレス反応がどのように現れるかを理解する手助けとなります。

また、本書では適応障害をセルフコントロールするための具体的な方法も紹介されています。
例えば、自宅安静の過ごし方や医者との良好な関係を築く方法についても触れています。
これにより、読者は薬に頼りすぎず、自分自身で症状を管理する力を養うことができるようになります。

著者は、心療内科医としての豊富な経験と専門知識を活かし、多くの著作を通じてメンタルヘルスに関する理解を深めることに貢献しています。
彼のアプローチは、西洋医学と東洋医学を融合させたものであり、患者一人ひとりに対する個別化された治療が特徴です。


製薬会社で研究に従事する者として、ストレス管理やメンタルヘルスの重要性を日々痛感しています。
特に職場環境はストレスの多い場面が多く、適応障害やストレス反応は誰にでも起こりうる問題です。
本書の適応障害の治療とセルフケアは、そのような課題に直面する人々に向けて、具体的かつ実践的な方法論を提供しており、研究者の立場からも非常に示唆に富む一冊だと感じました。

本書では、適応障害がどのように発症するのか、そのプロセスを明確に解説しています。
特に、「性格や考え方の癖がどのように影響するか」を探る内容は、ストレス対処の科学的理解に基づいており、研究者として納得感のある内容でした。
製薬分野においても、ストレスが慢性的な疾患発症に及ぼす影響は広く研究されていますが、こうした理論を一般読者向けに平易に説明している点は、多くの人にとって有益だと感じます。

個人だけでなく組織にも応用可能です。
職場で適応障害を予防するためには、個人のセルフケアだけでなく、組織としてのサポート体制や環境改善も必要です。
メンバーのメンタルヘルスに配慮する視点を学べたことは、実務面でも非常に役立つ学びでした。

本書はストレスに悩むすべての人にとって、特に働く人々にとって心強いガイドとなる本です。
研究者としての視点からも、科学的根拠に基づく解説と実践的なセルフケア手法がバランス良くまとめられており、専門家や一般読者のどちらにもおすすめできる内容でした。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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