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【書評】『がんばらなくても死なない』(評者:きょう/製薬会社 主任研究者)

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Xなどでメンタルケアや自分らしく生きる方法を心理学と生科学の視点から発信している きょうさま(製薬会社 主任研究者)より書評をお届けします!

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がんばらなくても死なない
竹内絢香 著
KADOKAWA
2020年7月発売

書評

この作品は、現代社会における「頑張りすぎ」や「完璧主義」に対するメッセージを中心に展開されています。
著者は、自身の経験を通じて、無理をせずに生きることの大切さを伝えてくれます。

本書のテーマは、特に「頑張らなくても生きていける」という考え方に焦点を当てています。
著者は、社会的なプレッシャーや他人との比較から解放され、自分自身を大切にすることの重要性を強調しています。
具体的には、著者は「無理して頑張る自分」を諦めた結果、日常生活がどれほど楽になったかを描写しています。
彼女の言葉には、「誰も我慢しないのが一番いい」というメッセージがあり、日本社会における我慢美徳への疑問も投げかけています。

この本は、特にストレスや不安を抱える人々に向けて書かれており、読者からは「優しいタッチのイラストと共に心にスッと入ってくる」と評価されています。
また、全編カラーで構成されているため、視覚的にも楽しめる内容となっています。

総じて、『がんばらなくても死なない』は、現代人が抱える「頑張らなければならない」というプレッシャーから解放されるためのヒントを提供しており、多くの読者にとって心の支えとなる一冊です。


現代社会の完璧主義的な価値観を見直し、心の負担を軽減するための提案を示した一冊だと感じました。
著者が語る「頑張らなくても生きていける」という考え方は、特に研究やプロジェクトにおいて重要だと感じます。
研究業務の世界では、失敗や未達成を恐れるあまり、無理を重ねてしまうことがあります。
しかし、本書は「自分の限界を認めること」がいかに心身の健康を守るかを示しており、研究者が過剰なプレッシャーを軽減するためのヒントが得られる内容です。

さらに本書は日本社会全体に深く根付く「我慢の美徳」への強いアンチテーゼとして響きました。
長時間労働や過密スケジュールは日本企業の課題となっていますが、効率的な働き方を模索するうえで「頑張りすぎを諦める」という選択肢を認識することが重要です。
本書は、それがいかに人々の幸福感や生産性に影響を与えるかを、説得力のある形で伝えています。

著者が描く「無理して頑張る自分を諦めた結果、日常が楽になった」という経験談は、研究者としての自己管理にも通じます。
研究には長期的な視点が求められるため、無理を重ねて燃え尽きてしまうのは避けなければなりません。
日々のストレス管理や自己肯定感を保つ方法として、本書のメッセージは非常に有用です。

総じて本書は、現代のストレス社会で生きる私たちに、肩の力を抜く勇気を与えてくれる一冊です。
完璧を目指すあまり心をすり減らしているすべての人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

選考委員プロフィール


きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、新卒で外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Xでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。

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