出版社メッセージ

【PART3】Special Thanks!ライツ社さま(メンタル本大賞2021 特別賞インタビュー)

【メンタル本大賞2021】の<特別賞>を『明るい出版業界紙』(WEBメディア)の発行元のライツ社さまに贈りました。これを記念して、ライツ社の魅力を<5日連続>でお届けします!

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編集者 大塚啓志郎の原点

人生に影響を与えた本について尋ねると、大塚さんは迷いなく『1歳から100歳の夢』を挙げて、「本づくりの道に進むきっかけを与えてくれた本」だと語ってくれました。

発行元のいろは出版が「2006年の発売以来ず~っと売れ続けている夢の本シリーズの名作」と紹介する通り、期待を裏切らない、なぜか涙腺がゆるんでしまう清々しい気持ちになれる一冊です。

1歳から100歳の夢
日本ドリームプロジェクト 編
いろは出版
2006年4月発売(愛蔵版:2014年2月発売)

― 『1歳から100歳の夢』にはどのようにして出会ったのですか?

大塚: 学生時代にある先輩が薦めてくれたのがこの作品だったんです。

― どんな点に惹かれたのですか?

大塚: 見開きの片方のページに夢を語る方の写真、もう片方にその方の夢についての作文が書かれている作品なんですが、有名でもない一般の方々を取り上げた本で

こんなにも人を感動させることができるんだ!
人生とは何か?をこんなアプローチで表現できるんだ!

と衝撃を受けました。

たとえば、5歳の男の子の場合には

「大きくなったらお母さんを肩車して雲の上を見せてあげる」

といったかわいい感じだったり、17歳の女の子のページには

「今、確かな夢がなくて苦しい。もし今後答えが出たら同じように悩んでいる人達を導いてあげたい。それを夢にしたい」

というような決意が書かれていたりする。

読んでめちゃくちゃ泣いて感動して……。

自分もこんな本を作りたいと思ったのが、出版社に就職を決めた理由ですね。

『1歳から100歳の夢』のあとがきには、こんな言葉(下記引用)が添えられています。まるで今の大塚さんの言葉のように感じられるのは気のせいでしょうか。

僕らの住む社会には、夢を考えるきっかけが少ない。夢を忘れる現実が多い。だからこそ、こうやって本をつくることなどで夢のきっかけを生み出して行きたい。

出典:『1歳から100歳の夢』日本ドリームプロジェクト 編、いろは出版

ライツ社が本づくりで大切にしていること

大切にしていること(1)

― 最近のライツ社の作品は「認知症」や「マイノリティ」などの社会問題をテーマにしたものが続いていますね。著書を通じて伝えたい想いのようなものがおありなんですか?

大塚: 特に深い意味はありません。
個人的には旅が好きだったので、

だから最初は旅の本が多かったんですけど、年齢を重ねていくうちに趣味も変わってきて。
料理本を出したり、ビジネス書を出したり……。

大切なことに気づく365日名言の旅
WRITES PUBLISHING 編
ライツ社
2016年12月発売

『大切なことに気づく365日名言の旅』は、ライツ社の記念すべき第1弾作品。9刷・3万4500部(2021年10月19日時点)。

全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ
本山尚義 著
ライツ社
2017年12月発売

『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』は、10刷・4万4500部(2021年6月23日時点)。

― その時々の関心のあるテーマで本づくりをされてきたんですね。

大塚: ただやはり、最近は社会が抱えている課題について気になりますね。僕も大人になってきたので(笑)

―『認知症世界の歩き方』は非常にわかりやすい本ですね。当事者でなければわからない認知症の方の苦労がビジュアルで表現されていて、斬新なアプローチだと思いました!

大塚: ライツ社の本づくりにおいて大切にしているものとして「ユーモア」があります。

ライツ社に専門性の高い本がつくれるかと言われると難しいし、すでにその路線で他の出版社さんが素晴らしい本をたくさん出しています。

じゃあ、ライツ社が出来ることは何か?と考えたとき、それは「ユーモア」を届けることだろうなと……。

それが得意だから、という理由もあるんですけどね。

認知症世界の歩き方
筧裕介 著、認知症未来共創ハブ 監修
ライツ社
2021年9月発売

大切にしていること(2)

ライツ社の作品の中でお気に入り作品を言い合ったら、たまたま私たち(成瀬、細貝)は同じ作品を挙げました。

冒頭でご紹介した『売上を、減らそう。』『マイノリティデザイン』の2作品です。

『売上を、減らそう。』の話になると、細貝は目に涙を浮かべながら大塚さんの話に聞き入っていました。


―『売上を、減らそう。』と『マイノリティデザイン』の逆境を乗り越えるストーリーには心を打たれ、嗚咽を漏らしながら読みました。2冊ともジャンルとしてはビジネス書だと思うのですが、編集する際には何か着地点のようなものを考えていらっしゃるんですか?

大塚: どういった着地にしようというのは決めていないです。

先ほど「人生を変えた本は?」と訊ねられたとき、ビジネス書では『イシューからはじめよ』(安宅和人 著、英治出版)も浮かんだんです。

これは素晴らしい本で大変影響を受けたんですけど、もともと僕はビジネス書が苦手で……。
でも、同じビジネス書でも、ストーリーだったら身体にスッと入ってきて腑に落ちるんですよ。

― 確かにストーリーで語られた本は、読者が引き込まれてしまう気がします。

大塚: だからライツ社ではどのビジネス書もハウツー本にはしていなくて、必ずストーリーとして読んでもらえる本をつくっています。

私はこういう風に人生を歩んできました。
こういう風に働いてきました。
あなたならどうしますか?

という感じの距離感。
ビジネス書をつくるときには、これを大切にしています。

シングルマザーのKさんのお子さんが立て続けに体調を崩し、しばらく休まざるを得なかったとき、従業員のみんなにはこう話しました。

「彼女のフォローはわたしたちがするから、みんなは気にしないで。どうしても小さな子は体調を崩しやすくて、Kさんが悪いわけじゃない。きっと彼女がいちばん心の中で苦しんでいるから」

出典:『売上を、減らそう。』中村朱美 著、ライツ社(201ページ)

―『売上を、減らそう。』は特に感動しました。私(細貝)は2児の母なんですが、特に中村さんの言葉(上記引用)が心にぐっときました。休む理由を認めてほしいわけではなくて、子どもの病気で仕事を休まなくてはならないつらさや苦しみ。それを中村さんにわかってもらえたことが同じ母親として何よりも嬉しかったです。

大塚: ありがとうございます。

中村さんに限らず、著者の方は皆さん、素晴らしい考え方や経験をお持ちですが、それを本にするとき、編集には2パターンの方法があると思うんです。

一つは、著者の考えをまっすぐ読者に伝えようとする編集。
もう一つは、狙う読者ターゲットに合わせる編集です。

僕は前者を意識して編集するように心がけていて、読者のことは「ターゲット」としてはとらえていません。

著者の考えをどう伝えれば届くのかに集中します。

もし『売上を、減らそう。』が響いたのだとしたら、それは著者の中村さんの言葉がまっすぐ届いてくれたのかなと思います。

― ちなみに、新刊の企画を考えるときに書店のどのジャンルの棚に置かれるかは意識しますか?

大塚: 『売上を、減らそう。』はビジネス書に置かれるだろうなという意識はありましたし、明らかに逆張りのタイトルなのでインパクトをつくれる自信もありました。

逆に『マイノリティデザイン』は怖かったですね。
読んでいない方にとっては、『マイノリティデザイン』という言葉自体が初めてでしたし。

広告で学んだクリエイティビティを、福祉というマイノリティの世界にスライドさせて、大切な人の「弱さ」を起点にして、ずっと続いていく「仕組み」としてのアイデアを提案する。

そんなプロジェクトが積み重なっていくうちに、「マイノリティデザイン」という仕事のやり方がだんだんと見えてきました。

出典:『マイノリティデザイン』澤田智洋 著、ライツ社(p157)

著者の澤田さんは広告代理店に勤めるコピーライターです。

多くの読者は、広告やビジネスの話には興味があるけれども、福祉には興味がないという方がほとんどだと容易に推測できました。

福祉に興味がない人にいかに届けるかがポイントだったからこそ、どうしてもビジネス書に置いてもらいたかった。


大塚: でも、それは僕だけではなくて、まさに澤田さんがやりたかったことと同じなんですよ。

ビジネスのアイデアとクリエイティブの力で、福祉の世界に「スライド」させたら、変えることができるということを知ってほしい。

そういう想いが込められていますから。

― 本当に著者の澤田さんの考えをまっすぐに伝えようとされたのですね。

大塚: ビジネス書の棚に置いてもらうことには、正直言って勇気がいりました。
営業メンバーからは「難しかった。書店さんに無理言って置いて頂いた」と聞いています。

― 売り方も含めて、ライツ社の「right」(まっすぐに)の姿勢が伝わったからこそ、ヒットにつながったのかもしれませんね。


PART4 につづく
(大塚さんが繰り返し読むドキュメンタリー作品とは?)

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