書評

【書評】『悩み方教室』(評者:寺田真理子/日本読書療法学会会長)

日本読書療法学会を設立して、読書セラピーの研究と実践を続けてきた寺田真理子さまより書評をお届けします!

悩み方教室
河田真誠 著
CCCメディアハウス
2021年4月発売

メンタル本大賞2022 エントリー作品

書評

落ち込むと、悩む時間が増えていきます。

悩んでも解決できないと、悩んでばかりの自分がダメな人間に思えて、余計に落ち込んでしまうものです。

だけどこの本では、悩みについて、こんな新しい見方を示してくれます。

悩みは幸せの種

人は悩めば悩むほど、幸せに近づいていける。
悩みは幸せの種なのだ。

出典:『悩み方教室』河田真誠 著/CCCメディアハウス(p4)

悩みは、また1つ、人生を自分の色に変えていくチャンスだ。
悩むほどに、人生はあなた色になっていく。

出典:『悩み方教室』河田真誠 著/CCCメディアハウス(p25)

自分を苦しめているものが、実は自分らしく幸せに生きるための大切なきっかけになってくれるのかもしれない。

そう捉えると、見える景色が変わってきませんか。

必要なのは「悩みの答え」ではなく「悩む時間」

悩みと一体化して「悩んでいる自分」=「ダメな人間」と捉えてしまいがちですが、自分の価値と切り離して考えることが提案されます。

あなたに必要なのは「悩みの答え」ではなく「悩む時間」だし、あなた自身には何の問題もないからだ。問題は、悩みとの関わり方を知らないことだけなのだ。

出典:『悩み方教室』河田真誠 著/CCCメディアハウス(p17)

それならば必要以上に自分を責めることはなくなりますし、知らないなら学べばいいと思えるようになるでしょう。

実は、「できない自分を責めてしまう」のは、やりがちな「悩みとの関わり方の勘違い」なのだそうです。

陥りがちなパターンを知ることも、自分を客観視するのに役立つはずです。

「解決しない(受け入れる)」「悩み続ける」という選択肢

悩みは解決するだけがすべてではなく、「解決しない(受け入れる)」「悩み続ける」といった関わり方もあるのだと視野を広げたうえで、自分で自分に質問することで、心のモヤモヤを晴らす方法を教えてくれます。

一つひとつ実際に書き込みながら考えていくことで、日常のちょっとした悩みから、これまでの人生を振り返って生き方を変えるきっかけになるような大きな悩みまで、自分なりの答えを見つけることができるでしょう。

慣れないと難しいものなので、以下のような50通りの悩みに対して、考え方のヒントを提案してくれています。自分の悩みと同じものが見つかるかもしれません。

“自信がなくて一歩を踏み出せない”
“誰も私の気持ちをわかってくれない”
“将来が不安でしかたない”
“人生がどん底すぎて、希望も持てない……”
“何のために生きているのかわからない”

ゆっくりワークに取り組んでみることで、自分と対話し、自分自身とのつながりを取り戻していけるのではないでしょうか。

自分の力を奪っていた悩みが、人生を充実させる貴重な糧へと変わっていく本です。

評者プロフィール

寺田真理子(てらだ・まりこ) 
長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在し、ゲリラによる日本人学校脅迫や自宅の狙撃を経験。東京大学法学部卒業。多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演・執筆・翻訳活動。読書によってうつから回復した経験を体系化して日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。また、うつの体験を通して共感した認知症について、パーソンセンタードケアの普及に力を入れている。著書、訳書多数。日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。

心と体がラクになる読書セラピー
寺田真理子 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2021年4月発売

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