【メンタル本大賞2022】
「人生・生きかた部門」審査コメント
「人生・生きかた部門」ノミネート作品
「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ 河出書房新社 編 河出書房新社 2020年11月発売 |
もしあと1年で人生が終わるとしたら? 小澤竹俊 著 アスコム 2021年3月発売 |
あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから 平光源 著 サンマーク出版 2021年4月発売 |
今日こそ自分を甘やかす 根本裕幸 著 大和書房 2021年12月発売 |
「人生・生きかた部門」評価結果・作品別コメント
1位 | 30 pt | もしあと1年で人生が終わるとしたら? 小澤竹俊 著 アスコム |
2位 | 20 pt | 今日こそ自分を甘やかす 根本裕幸 著 大和書房 |
3位 | 10 pt | あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから 平光源 著 サンマーク出版 |
30pt:『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』
もしあと1年で人生が終わるとしたら? 小澤竹俊 著 アスコム 2021年3月発売 |
評価ポイント
- 自分らしい働き方について考える事ができる
- 人生の意味について改めて考え直すことができる
- 後悔のしない人生の作り方を体験談ベースで学ぶことが出来る
評価理由
仕事に悩んだり、目の前のことが忙しくて視野が狭くなっている方に薦めたい1冊です。
私は4年以上がんの治験の仕事をしてきましたが、中には様々なプレッシャーがありました。
業務量がパンクしても「他の人も忙しいから迷惑をかけられない」という思いや、「会社の信頼に関わるから、失敗してはいけない」という思いがずっと頭の中を駆け巡っていました。
まさに、人の目を気にする働き方です。
仕事をしている人なら一度は感じたことがあると思います。
ですが、本書を読むうちに「自分らしい働き方や生き方」について考える事ができました。
そして、「やるべきことが出来ない自分でさえ受け入れること」を大事にするようになりました。
過剰に人の目を気にしたり、我慢や遠慮をしすぎて自由を感じられなくするのではなく、日常の小さな選択の仕方を変えて少しずつ自分のための時間を増やすことに意識を向けられるようになる。
そんなメッセージを本書から感じました。
20pt:『今日こそ自分を甘やかす』
今日こそ自分を甘やかす 根本裕幸 著 大和書房 2021年12月発売 |
評価ポイント
- 日本人が苦手な自分を甘やかすことの大切さを意識できる
- 「自分に厳しいことで無自覚でいること」の気づきから幸せを感じるきっかけをつかめる
- 短いチャプターで区切られているので読みやすい
評価理由
他人の評価が気になるから頑張り続けないといけない。
心に悩む人は誰でも一度は感じたことがあると思います。
私はそんな方にこそ是非一度読んでほしい一冊だと感じました。
本書は、自分に対しての厳しさに自覚をもち、自由に生きる人が増えてほしいという想いを感じます。
それは、「それほど頑張らなくても人は幸せになれる」という強いメッセージなのだと思いました。
特に家庭環境に恵まれず、生きづらさ抱えている人には、自分に優しくするヒントをこれでもかというくらい伝えてくれている本書をぜひ読んでほしいと思います。
10pt:『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』
あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから 平光源 著 サンマーク出版 2021年4月発売 |
評価ポイント
- 語りかけるような優しい言葉で書かれている
- 行動を変えるのではなく捉え方を変えることで生きやすくさを手に入れる方法が書かれている
- 精神科医としての経験談を元に書かれていて場面の様子が浮かぶ
評価理由
「何度でもいいます あなたは本当にすごい そして素晴らしい」という言葉から始まる優しい1冊。
本書は精神科医として出会った方との具体的なエピソードがたくさん書かれているのがとても印象的でした。
著者の優しい言葉たちから伝わる自分の認め方と愛し方の考え方が非常に分かりやすいものになっていて、一貫性と読者層の広さが素晴らしいと感じました。
死にたいと思う裏側や背景には「疲れ切ってしまうほど頑張って生きようとしている」意識に気づかせてくれるこの書籍は、人生に疲れてしまった人に絶対に読んでほしいと感じました。
「人生・生きかた部門」総評
私は“人を心から変えることが出来る”のは人だと思っています。
私自身がそうだったように、たった一人の出会いや一つの言葉が人生に潤いを与えてくれたりすることもあるからです。
「人生・生きかた部門」の書籍たちはまさにこう言った言葉や文章との出会いを感じさせてくれるものばかりでした。
今回は紹介できませんでしたが、ノミネート作品である『「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ』という書籍もぜひ読んで頂きたい1冊だと思っています。
25人の年齢も性別も違う立場の人たちが、経験をもとに“生きること”へのそれぞれの考え方を紹介してくれているからです。
普段は専門書ばかり読み漁っている私ですが、言葉には想いがこもり、時としてそれは理論やロジックを超えて訴えかけてくれることがあると改めて感じさせて頂きました。
メンタル本大賞の活動を通してこういった言葉たちに出会えたことに心から感謝申し上げるとともに、ご協力くださった著者と出版社の方にも深く感謝させて頂きたいです。
ありがとうございました。
選考委員プロフィール
きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Twitterでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。
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