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【書評】『マンガでわかる 休職サバイバル術』(評者:川本義巳/公認心理師&メンタルコーチ)

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メンタル本大賞®創設の2021年より選考委員としてご協力いただき、2022年はノミネート著者として<特別賞(著者MVP賞)>に輝いた 川本義巳さま(公認心理師&メンタルコーチ)より書評をお届けします!

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

版元ドットコム許可書影『マンガでわかる 休職サバイバル術』 マンガでわかる 休職サバイバル術
加藤高裕 著、ミヨシ 漫画
主婦の友社
2022年11月発売

書評

うつ病について書かれた本の多くは「体験記」のようなスタイルをとっています。
著者であったり、その他著名人や民間人でうつ病になった人のストーリーについて書かれたものですね。
ベストセラーになった本も何冊かありましたね。

うつ病って、名前はメジャーなんですが実際にどういうものかはまだ知られていない部分が多いので、こういう体験記的な内容はとても役に立ちます。

今回紹介するこの本も体験記です。
でも、ちょっとこれまでのパターンとは視点が違います。

それは「休職」をメインにとりあげていることです。

会社員がうつ病になると、次に起こるイベントとして「休職」というのがあります。
短い人で1~2ヵ月、長い人だと2年とかになります。

休職ということは「仕事にいかない」ということになるので、病気のことだけでなく、生活のことも一緒に考える必要が出てきます。

僕自身もうつの人を支援していますが、この休職というのはとても大事なことなのです。
けれども、これまで休職についての情報がわかりやすく公開されることはなかったと思います。

多分、企業の人事担当でも知らない人多いんじゃないかな?

この本は、うつ病になった主人公が主治医と出会い、休職期間に突入し、産業医やリワークプログラムで出会った人たちを通して、復職への道を描いています。

やもすれば「復職マニュアル」ぽくなりがちな内容を、主人公の状況と心情をマンガで表現してくれているので、読んでてすごく伝わるんですよね。
単に治療や制度の話で終わらせずに、主人公の人間としての成長も描かれているところは素敵でした。
実際、うつ病になった人って人間的にすごく素敵に成長していくんですよ。

もし自分が「今しんどいけど休むわけにはいかない」と思っている人がいるなら、この本を手にとってみてください。
自分の置かれた状況がはっきりとわかると思います。

そして堂々と休職をしてください。

そして次の出番まで充電しましょう。

この本はそのときに役立つガイドブックになるはずです。

そして、人事担当者は絶対に読んでください。

会社側の対応で、その人の回復は変わりますから。

評者プロフィール


メンタル本大賞2022 著者MVP賞
川本義巳(かわもと・よしみ)

三重県松阪市生まれ津市在住。
うつ専門メンタルコーチ/公認心理師/一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。それを機にうつ専門のプロコーチになることを決意。コーチング、NLP、アドラー心理学、エリクソン催眠を学び、それらを応用したメソッドを開発し、2010年個人コーチングを開始。自治体や上場企業でのメンタルヘルス研修講師や精神科クリニック、児童相談所、教育委員会での相談業務等でも経験を積み、10年間で1万件以上の相談、指導を行っている。

メンタル本大賞®2022 特別賞(著者MVP賞)『1日3分でうつをやめる。』川本義巳 著(扶桑社)
1日3分でうつをやめる。
川本義巳 著
扶桑社
2019年10月発売

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