選考委員の川本義巳さま(公認心理師&メンタルコーチ)より、ノミネート作品の書評をお届けします!
「自己肯定感低めの人」のための本 山根洋士 著 アスコム 2020年9月 |
書評
著者の山根さんは心理カウンセラーさん。
「メンタルノイズ心理学」を提唱されています。
「メンタルノイズ?はて?」
そう思いながらも興味津々で読み進めたのですが、しょっぱなから頭をガーン!と殴られたような感覚でした。
それは 「はじめに」 のところに太字で書かれていました。
自己肯定感を高めようと思わなくてもいい
実はうすうす僕自身も「自己肯定感低くてもいいんじゃないかなあ」と思っていたのですが、ここまではっきりと言い切っている人は初めて見たので、嬉しい反面「うわーやられた!」という感じだったんですよね。
話をメンタルノイズに戻します。
山根さんがいう「メンタルノイズ」というのは心のノイズのこと。
自分をダメ出ししたりする心の声とかのことらしいんだけど、「でもそれってちゃんと自分のことを分析した結果出てきてるんじゃない?」って思ったのですがどうやら違うらしい。
というのも「人は9割方無意識で動いていて、その無意識の行動の中にメンタルノイズが隠れているから」だとか。
確かに毎日「今から何をしようか?」などと考えずに動いていますよね?
この中にノイズがあるとしたら・・・
考えただけでも怖くなりました。
この本を読み進めていくと、自分がめげる原因やうまく行動できない理由がよくわかります。
しかもわかるだけでなく「どうしたらノイズを消せるのか」についてもちゃんと書かれています。ちなみにメンタルノイズは14パターンあるそうで、僕自身は「ドMノイズ」がドンピシャ!でした(笑)
全体的に大切なところはわかりやすくしてくれていたり、表やイラストも多いので、スラスラ読むことができました。
「いろいろ頑張ってるけどうまくいかない」とか「自己肯定感がなかなかあがらない」という人はぜひ読んでみてください。
出典:川本義巳さまFacebook投稿(2021年7月12日)
評者プロフィール
メンタル本大賞 選考委員
川本義巳(かわもと・よしみ)
三重県松阪市生まれ津市在住。
うつ専門メンタルコーチ/公認心理師/一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。それを機にうつ専門のプロコーチになることを決意。コーチング、NLP、アドラー心理学、エリクソン催眠を学び、それらを応用したメソッドを開発し、2010年個人コーチングを開始。自治体や上場企業でのメンタルヘルス研修講師や精神科クリニック、児童相談所、教育委員会での相談業務等でも経験を積み、10年間で1万件以上の相談、指導を行っている。
1日3分でうつをやめる。 川本義巳 著 扶桑社 2019年10月発売 |