平光源

【書評】『生き辛いOLですが自己肯定感を高めたら生きるのがラクになりました。』(評者:平光源/精神科医)

選考委員の平光源さま(精神科医)より、ノミネート作品の書評をお届けします!
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生き辛いOLですが自己肯定感を高めたら生きるのがラクになりました。
あかり*生き辛いOL 著/中島輝 監修
SBクリエイティブ
2020年8月発売

書評

平光源書評シリーズ。
今回は、あかり*生き辛いOL先生の『生き辛いOLですが自己肯定感を高めたら生きるのがラクになりました。』(SBクリエイティブ)です。

この本の良いところを3つに分けて説明しますね。

1.よどみなく読み進めることができる本当に読みやすい本

ほとんどのメンタル本は、重たい内容のためか途中で内容に飽きてしまったり、難解な部分があって脳みそが疲れてしまい、そこで読みたいと言う気持ちが止まってしまうことが多いと思います。

しかしこの本は読めば読むほどドンドンとその世界に引き込まれていきます。

私も256ページもあるのに、1時間半もかからずに一気に読んでしまいました。

その簡潔でそれでいて説得力のある文章は、ご自分で実体験されたからこそのものだと思います。

文章から認知行動療法や、アドラー心理学、神経言語プログラミングなどなど本当に多くの勉強をされ、実践されてきたのがわかります。

小気味良いさざ波のような抑揚があり、よどみなく一気に読み進めることができる本当に読みやすい本です。

2.わかりやすさが抜群にちょうどいい

私も著書『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』を書いたときに大変気を配ったところだったのですが、わかりやすく書くというのは本当に難しいことです。

例えば簡潔に書くと、文章自体は頭には入って来やすいのですが、簡潔すぎると説明不足で具体性に乏しく、何を言っているのか分からなくなります。

逆に、具体的に説明する文を増やしていくと、内容自体は分りやすくはなるのですが、文章が長くなりすぎるので、結局何を言いたいのかと言う要点が薄まってしまいます。

このよりわかりやすく丁寧に書くことと、簡潔に書くことの中間を射抜くことは本当に難しい。

しかし、この本は、簡潔でそれでいてわかりやすく書かれてあります。マンガが挿入されているのに、文章との一体感がありお互いを補完しあっています。

ぎこちなさやムラのない文章は本当に初めての作品とは思えない、分かりやすさが抜群にちょうどいい本だと思います。

3.とにかく内容が具体的な本

例えば120ページのマンガで、気に入ったのに二の腕が出る服を、「年甲斐もなくそんな服を着て」と思われるのがいやで買うことをやめてしまうことについて

人の目を気にするとは言いますが
人がどういう目で自分を見ているかこれは想像でしかありません

じゃあなぜそんな想像をしてしまうのか?

自分がそう考えたことがあるから他人もそうなんじゃないかと想像できてしまう

人の目を気にしている時
実際は、他人の目を通して自分からの評価を気にしている
人はとても多いです。

出典:『生き辛いOLですが自己肯定感を高めたら生きるのがラクになりました。』あかり*生き辛いOL 著、中島輝 監修/SBクリエイティブ(p120)

「二の腕太いくせにあんな服着て」(過去に自分が他人に対して思った言葉)のように、自分が他人に下す評価が、むしろ自分を生きづらくしていることを教えてくれます。

上記のように文章だけだと分かりにくいですが、マンガで補足して書いてあるので、とても具体的でわかりやすくなっています。

また、過去のトラウマにとらわれる場合の解決法として、

  1. 映画を見るかのように思い出す(ムービー法)
  2. 思い出に明るい光を当ててみる(ライトアップ法)
  3. 思い出の続きの物語を考える(アフターストーリー法)
  4. 怖い登場人物はロケットで遠くに飛ばす(ロケット法)
  5. もう大丈夫だよと(自分を安心させる声かけ法)

5つの方法を教えてくれています。

とにかく解説も行動の指示も具体的で、しんどい心にや体でも、「これならば出来るかもしれない」と最初の一歩が踏み出しやすくなっています。

まとめ

この本を一言で言うと、わかりやすい具体策に溢れた流れるように読みやすいメンタル本です。
実際に生きづらいOLの方から、うつが酷くてなかなかメンタル本にさえ手を出すのがやっとの方まで、多くの方の役に立つ本だと思います。

あかり先生、すばらしい本を本当にありがとうございます。

出典:平光源さまFacebook投稿(2021年8月2日)

評者プロフィール

メンタル本大賞 選考委員
平光源(たいら・こうげん)

東北地方でクリニックを開業している開業医。
高校時代、自分の不登校によって医学部受験に失敗。
3年浪人してうつになり、ある本がきっかけでうつから回復した経験をふまえて、約20年精神科医として心のケアに当たる。
支援学校学校医、老健施設往診医、いのちの電話相談医、傾聴の会顧問など、その活動は多岐にわたる。
精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医。

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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