著者 PR

【PART2】著者インタビュー|川本義巳さま(公認心理師&メンタルコーチ)

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

『1日3分でうつをやめる。』(扶桑社)の著者であり、メンタル本大賞の選考委員を務めていただいている、川本義巳さん(公認心理師&メンタルコーチ)のインタビューを<4日連続>でお届けします!

1日3分でうつをやめる。
川本義巳 著
扶桑社
2019年10月発売

1|2|34

【PART2】「メンタル・リセット・プログラム」とは?

― 先ほど「メンタルが落ちてしまっている人が未来について考えたり、話したりすることは難しい」という話が出ました。これは著書『1日3分でうつをやめる。』で紹介されている「メンタル・リセット・プログラム」の第一段階に通じる話ですね?

うつ状態の人に「もっとポジティブに考えなよ」と言う人がいますが、それは無理な相談です。いけないとわかっていてもわざわざネガティブな方を見ようとしてしまうのが、うつ状態なのですから。

ネガティブな意識をいきなりポジティブに「変える」のではなく、まずネガティブな意識を「止める」ことが先決です。不安や後悔でいっぱいのときは、心に余裕が一切ない状態に陥っていますから、そのネガティブの回路を一旦遮断しないといけないんです。

― 確かにいきなり「変える」のは難しそうです。まずネガティブを「止める」を目指すことでハードルが下がりますね。

「止める」でネガティブな心理状態から一瞬でも抜けることができたら、すかさず第二段階のポジティブを「増やす」に進んでほしいと思います。

うつ状態にある人は「自分には何もできない」と考えがちです。しかし、この第二段階のワークを行うと、「自分にはできることがたくさんある」と気づきます。

― 「できることリスト」と「好きなことリスト」をつくるのですね!

最初にリストをつくるときは少々手間がかかりますが、一度つくってしまえばあとは簡単です。

「できることリスト」は質より量。「こんなにたくさんある」と感じることが、メンタルの安定につながります。

そして「好きなことリスト」はできる限り具体的に書くことがポイントです。そうすれば好きなこと・ものをリアルに感じることができて、メンタルの状態も上向いてきます。

「好きなこと」を意識すると、人はそれをやりたくなります。「ハワイが好き」と思えば、ハワイ旅行に行きたくなる、というように。

ところが、うつの人は、「できること」を意識できていないと「ハワイに行きたい」と思っても、最初から「どうせ無理」と思ってしまいます。
可能性よりも不可能な理由づけをするクセがついてしまっているので、「お金がない」とか、「休みがなかなか取れない」など、できない理由をあれこれ思いついてしまうのです。

でも「自分にはできることがたくさんある」という安心感があるとどうでしょう。
「どうせ無理」という発想が、「どうしたらできるんだろう」に変わります。不可能ではなく、可能性を見るようになるからです。

ハワイの例でいうと、安いツアーを探したり、なんとかして休みを取る方法を考えて、ハワイ旅行を実現させるようになります。

出典:『1日3分でうつをやめる。』川本義巳 著、扶桑社(p71-72)

― メンタルの状態が上向いてはじめて、第三段階に進めるのですね。

うつの人は一度いい方に意識が向いても、すぐにそれを打ち消すネガティブな考えが浮かんでしまいます。「そうは言っても最後はどうせダメなんじゃない?」とか。

この反応こそ、うつの典型なのですが、この思考のクセを「変える」のが第三段階です。

自分の欠点に対して「いや違う!長所だ」と言い換える。これを落ち込んだときだけでなく、思いついたときに何度も行って習慣化すると、うつを早く克服できるようになります。

― 習慣化できるかどうかがポイントになりそうですね。

私は「うつ専門」のコーチングを行って10年以上になりますが、「どうすれば、安全かつ簡単に変化を起こせるか?」をテーマに活動を続けてきました。私自身苦しんだうつの克服に効果があったポイントを誰にでも取り組みやすい形に落とし込んだものが、今お話した「メンタル・リセット・プログラム」です。

詳しい内容や手順は『1日3分でうつをやめる。』に書いたので、ぜひ手に取って試してみてください。

「メンタル・リセット・プログラム」の流れ

  1. 第一段階:ネガティブを「止める」
    五感を使って強制的に「今、自分はここにいる」ということに意識を集中させる(不安や後悔といったネガティブな思考・感情を消す)
  2. 第二段階:ポジティブを「増やす」
    「できることリスト」→「好きなことリスト」をつくる(紙に書いて可視化することでメンタルの状態を客観視する)
  3. 第三段階:思考のクセを「変える」
    「言い換えリスト」をつくって、ネガティブをポジティブに言い換える

(注)上記はメンタル本大賞実行委員会の解釈によるまとめです。

― ここまで「ネガティブ」を「ポジティブ」に変える話をされてきましたが、著書でご自身は「今でも”ネガティブが趣味”と自称するくらいのネガティブ人間」と明かしていますね(笑)

僕だって泣きたくなることはありますよ。3日に1回くらいは(笑)
うつで苦しんでいたときは、3日に1回は死にたくなっていたんですから、大進歩ですよ。

ポジティブ人間に生まれ変わらなくたって、うつは克服できます。「うつをやめる!」という意思さえあれば誰にでも克服できるんです。

それにこの「メンタル・リセット・プログラム」のコツは、やらなきゃいけないと思わないことです。できたときは「俺ってすごい」、できなかったら「人間だもの」でオッケー。これくらいのゆるさで、まずは1か月半程度、試してみてほしいです。

PART3 につづく
1|2|34

書影は版元ドットコム様サイトに掲載されております画像を指定ルールに則って利用させていただいております。版元ドットコム様サイトに掲載されていない作品については、事前に出版社様の了承を得て掲載しております。

このページがお役に立ちましたら
上のハートマークを押してください。
当サイトは、日常生活において「しんどい」「生きづらい」と感じている方向けに【心が楽になる】書籍のご紹介を目指しておりますが、お読みになる方の悩みや状況の改善をお約束するものではございません。ご自身の責任においてご利用ください。
プライバシーポリシー・免責事項

こころの病気は誰にでも起こります。
不調やストレス症状が長く続いたり、日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関やカウンセラーに相談してください。

相談できるところはたくさんあります。
厚生労働省|みんなのメンタルヘルスには、相談窓口や医療機関についての情報が掲載されていますのでご参考ください。