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【書評】『「頑張る」をやめてみる』(評者:平光源/精神科医)

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2022 優秀賞受賞、2021 選考委員MVP賞に輝いた平光源さま(精神科医)より書評をお届けします!

「メンタル本大賞®2023」エントリー作品

『「頑張る」をやめてみる』根本裕幸 著(リベラル社) 「頑張る」をやめてみる
根本裕幸 著
リベラル社
2022年5月発売

書評

今回は、根本裕幸さんの『「頑張る」をやめてみる』(リベラル社)についての書評を書かせていただきます。

この本の良い所は、あなたが頑張りすぎる原因を「抱え込み抱え込み症候群である」と考え、それをさらに詳しくタイプ別に分けてその対策を考えてくれるところです。

具体的には、

・自分をだせない「自己肯定感が低いタイプ」
・空気を読みすぎる「敏感タイプ」
・他人を放っておけない「しっかり者タイプ」

の3タイプになります。(28ページ)

これは、うつ病の病前性格といわれる「他者配慮性」「完璧主義」「几帳面」「責任感の強さ」「引きこもり」などを現代的に分り易くとらえなおしたものともいえ、日々の臨床的な印象としてもとても納得のいく分類だなあと思います。

その「抱え込み」を手放すための具体的な考え方や、たくさんの実践的なワークなど、まさにかゆいところに手が届く、至れり尽くせりの内容でした。

さらにコロナ禍で問題になった、リモートワークにおける「オン・オフ問題」も、「朝、めんどくさくても一度家を出て『出勤』するようにする。」などの具体的なアドバイスが書かれており、現代人の生活スタイルにアップデートされた内容になっていました。

また最終章では、「抱え込むのも悪くない」と、抱え込むことのメリット、素晴らしさも伝えてくれて、わかってはいるけど「抱え込み」をやめられない真面目で一生懸命な人々にも救いになる内容に、根本先生のクライアントさんに対する愛と優しさを感じました。

そして、一番大切なこと。それはこの本は文庫本サイズなので、いつでもズボンのポケットやハンドバッグに入れて悩んだときにすぐに取り出せるサイズであることだと思います。

普段の通勤、通学や一泊の小旅行のお供にピッタリで、自分が一人で悩み落ち込んだ時に「良き相棒」としてきっと生き辛さに対する必要なアドバイスをしてくれると思います。

根本先生、素晴らしい本を書いていただきありがとうございました。

評者プロフィール

2022 優秀賞・2021 選考委員MVP賞
平光源(たいら・こうげん)

東北地方でクリニックを開業している開業医。
高校時代、自分の不登校によって医学部受験に失敗。
3年浪人してうつになり、ある本がきっかけでうつから回復した経験をふまえて、約20年精神科医として心のケアに当たる。
支援学校学校医、老健施設往診医、いのちの電話相談医、傾聴の会顧問など、その活動は多岐にわたる。
精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医。

あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから
平光源 著
サンマーク出版
2021年4月発売

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